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着飾る恋には理由があってのmaroのネタバレレビュー・内容・結末

着飾る恋には理由があって(2021年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2021年春ドラマで面白かった順位:4/9
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

現代らしいラブコメで、僕が観た2021年春ドラマの中では一番オーソドックスだった印象。

当初、フォロワーからの反応があることに喜びを感じているくるみ(川口春奈)と、SNSに振り回される空虚さを説く駿(横浜流星)の対照的な関係は、今の時代っぽさが前面に出てたよね。

駿は、がんばってきたレストランがダメになったことで、すべてに疲れ、無理するのもがんばるもやめて、持ってるものも全部捨てた。
何もなくなって、自分がよく見えるようになった彼からしたら、いつも無理にがんばっているように見えるくるみは、時に眩しく、時に昔の自分を見ているようで、もどかしさがあったんだろうなー。

そんなくるみは、憧れの社長(向井理)に認められたくて、追いつきたくて、そのためにSNSをやっていたと思っていたけど、駿の話を聞いて、単に好きでやってたんだと気づく。
無理してやるものではないけれど、好きでやってるならいいんじゃないかって。

情報が多い現代、やらなきゃいけないと思っていることのほとんどは、実はただの思い込みなのかもしれない。
“しなければならない”、“あらねばらならない”ということからの脱却の物語でもあるのかなと感じる部分はあった。

まあ、ラストは急にみんなそれぞれの道を見つけてハッピーになって、だいぶ調子よく進んだなと思ったけど(笑)

がしかし、である。
豆柴真柴さんのどっちつかずな態度ときたら!
だんだん駿に惹かれていって、恋仲になった矢先、いきなり社長が戻ってきて、そっちに気持ちが流れて、でも好きなのは駿で、ああでも社長も気になって、、、っていう。

ベースの気持ちは駿なんだよね。
でも、駿とちょっとうまくいかなかったり、仕事のことになると社長のところに行くんだよ。
魅力的な男性2人に挟まれて揺れ惑う気持ちはわかるけど、このプライベート用の彼氏と仕事用の彼氏で使い分けている感じがね、前になんかの雑誌で読んだ「機能別彼氏」なんじゃないかと。
お食事用、お趣味用、おセックス用で分けてるっていうやつ。

男側もそれを認知および合意してるならまだしも、お互いに嫉妬心むき出しだから、これもしかしたら、自分に気があるとわかってる男子を転がしてんのかなって。

最終回の会社の辞め方も、ドラマ的には最高だけど、社会人的には最低で笑った(笑)

あと、第2話で香子さん(夏川結衣)と陽人(丸山隆平)のやりとりのわかりみが深かったので引用させていただきます。

香子「20代は本当にキツかった。管理栄養士とはいえ、普通に会社員勤め。毎日業務に追われて、できないことだらで」
陽人「俺もそうでした。大学病院のとき、毎日パンパンで。やらなあかんことに追われて。やりたいことにたどり着かへん」
香子「30代。仕事でやらなきゃないけないことがわかってくる。でも、また次の悩みが出てくる。結婚、出産、誰とどう生きるか、ひとりのままなのか」
陽人「それは俺も考えますね。結局いつも何かしら迷うってことなんですかね」
香子「40代を過ぎると、仕事の先行き、家計、親の問題。もっと悩みは複雑になって、一周まわって大事なのは健康ってとこに行き着くの。もう今となっては健康で、いかにおいしくお酒が飲めるか。それだけ」

というわけで、みんなも健康には気をつけよう。
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