nao

大豆田とわ子と三人の元夫のnaoのレビュー・感想・評価

大豆田とわ子と三人の元夫(2021年製作のドラマ)
4.4
久しぶりに日本のドラマ鑑賞。

普段は、疲れる日常から現実逃避できるくらい、ごっそり気持ち持っていかれる感情移入系が好きだが、この作品は違う。

基本的なノリは軽い。
けれど、その軽さが馬鹿っぽくない。

日常は、些細だけど嫌なこと、気になる事が頻発する。毎日平凡に、嫌なことがちょっと起こるけど、それでも所々に、それを少し上回る小さな幸せもある。
だけど時間に追われて、心が荒んでくると、だんだん、その小さな幸せに目を向けられなくなる。

そんなことを、
押しつけがましくなく、仰々しくなく、
なんとなくふわっと思い出せるそんな作品だった。

今の私は、
日頃から家事、育児、仕事に追われる毎日で内省が留まることはないのに、
心の準備のないまま急に介護が始まった。

人生最期の向かえ方
自分の幼少期と親との関係性
両親の人格について
人生後半の生き方について、
最近、大いにアタマの中を支配されつつある中で、
この作品は、
その全ての要素に突き刺さるものがあり、
今の気分にピッタリくる作品だった。

殺人ミステリーも、恋愛系も、どれも見る気持ちになれない、
気持ちがいっぱいいっぱいだけど、
馬鹿馬鹿しく笑ってる場合でもない、
そんなタイミングにおすすめ。
nao

nao