このレビューはネタバレを含みます
今期おすすめドラマといったら、コントか大豆田の完全二択だと思う。
私の中で荒れに荒れた第6話のかごめ事件も(その後の展開次第では低評価をつけてやるぞと憤慨していたが)きちんと意味あるものになっていて、心底ほっとした。
残酷だけど、あの事件は確かに必要だった。
第1話でとわ子は母親を亡くして骨壺を持ったまま出社し、元気に社長就任の挨拶をする。
作風がコミカルな分、その時のとわ子がどんな気持ちだったか視聴者には分からない。分かったつもりになるだけで、実は理解出来ていない。
それを『かごめ』という役を使って、見事に視聴者に体験させた。
前半は『大豆田とわ子とゆかいな仲間たち』みたいな何処か他人事の世界観なのに
後半はとわ子の悲しさや寂しさが視聴者自身の事になっている。
だからこそ、元夫達の支えてあげたい励ましてあげたい気持ちもとても理解できる。
何だか『星の王子さま』みたいな世界観を感じるのは私だけだろうか。
人生において大切な言葉がたくさん詰め込まれた優しい作品だった。
脚本は勿論のこと、映像も演出も
主要キャラのキャスティングも芝居も
そしてエンディングももう色々最高だった。
あえて言うなら。
6話の元夫と女3人の餃子パーティーで、女3人の必要性が薄い。
とわ子を引き立たせる為の3人なのは分かるが、世の女性はみんなこうだと言われてるような感じがして少し不快だった。
2年間ホテル暮らしをしていたからといって、清掃員の顔を覚えていないのはそんなに駄目なことか？
接客する側は[顔を覚えてくれたら良い客、覚えてないのが普通の客]くらいの心づもりで接客するべきでは？
元夫達が大豆田とわ子を今でも想っているのはこんな女3人より良いという理由だけなのか。
もっと良い人なんていくらでもいるだろうと思ってしまった。
だからこそ私は、田中はっさくととわ子のやりとりが好きなのかな。
絶対に忘れられない人が居ることを認めた上で、今のままの距離感で居続けることを決めた二人。
二人だけのシーンは芝居も脚本も完璧だったと思う。
そして個人的に私が好きなのは中村しんしん。
「僕が一番きみの事を想ってるよ」みたいな台詞があったと思うが、その通りだと思った。
逆にはっさくの「大豆田とわ子は最高です」は本当に思ってんのかよボケと思ってしまう。笑
最終回が何事もなく、さらっと終わってしまったのを良しとするかどうか。
色々食べて、〆のお茶漬けみたいな感覚。美味しいんだけどね。盛り上がりは無かったかな。
あと折角なら最終回のエンディングは(全員集合バージョンとか)特別感のあるものにしてほしかった。
それがあれば4.5はつけたかも。
＊追記＊
ドラマが終わって1週間後に全員集合ver.の楽曲が公開されたので評価0.2上げました。笑
嬉しいけど…最終回で聴きたかったよ！笑
長くなりましたが…
大人になったけど、心まで強いわけじゃない、中年層向けドラマ。
視聴者側の年齢によって違う捉え方が出来そう。
何年後かにまた見返したいなと思いました。
