おときち

大豆田とわ子と三人の元夫のおときちのレビュー・感想・評価

大豆田とわ子と三人の元夫(2021年製作のドラマ)
4.7
面白い!と思ったドラマ、アニメや漫画、小説、ゲームなどは最後まで観るのが、読むのが、クリアするのがなんとなくもったいなく感じて、最後のちょっと前で保留してしまう癖がある。
最終回を録画しても観ない。最終巻を買っても読まない。むしろ1巻から読み返す。ラスボス直前であちこちウロウロし始めるとか。


このドラマもまさしくそれで、最終話は放送から2ヶ月近く経ってようやく観た。でも終わっちゃうの嫌だったな。

いやーこれは面白かった!本当に!脚本も演出も音楽も全てが良かった。
こんなに面白いドラマっていつぶり?と思うぐらい面白かった。
映像はもちろんだけど会話を耳で聞いているだけでも楽しい。名言もあれば絶妙な笑いも、鋭い視点もあって、本当に会話が楽しかった。


「過去とか未来とか現在とか、そういうのってどっかの誰かが勝手に決めたことだと思うんです」
「時間て別に過ぎていくものじゃなくて、場所っていうか、その…別の所にあるもんだと思うんです」
オダギリジョー演じる小鳥遊がサラッと時間は存在しない、みたいな概念を語り始めた時は「キター!」ってなってテンション上がったし、なぜかちょっと泣けた。
過去、未来、現在、全部繋がってると思うし、同時に存在してるのでは?って思ったりするのも楽しいので、これにはほんと興奮した。


これだけではないんだけど、とにかく全エピソード面白くて面白くて。
ドラマ『フリーバッグ』みたいにカメラに向かって語りかけるのも好きだったし、伊藤沙莉のナレーションも好きだった。
映像の質感もドラマというより映画に近い感じで、このまま劇場でかかってもおかしくないのでは?と思う。パキッとし過ぎてないフィルム映画みたいなこの感じ、通常の地上波ドラマと何が違うんだろう。照明?レンズとかの機材?なんだろうな。とにかく質感も良かった。画角とかアングルも。

エンディングは曲はもちろん映像もカッコ良かった。
第1話のエンディングでKID FRESINOが出てきた時はテンション上がったし、それ以降もNENEやDaichi YamamotoやT-Pablowも参加するし、カメオ出演もあるしで本当に毎回最後まで楽しく観れた。

出演者も良かった。「豪華」って言いたくなるけど、そういう意味ではなく、本当に良かった。みんなハマってた。慎森、好きだったな〜。いや、みんな好き。


もう1回最初から観たい。Netflixでも配信始まったけどハードディスクのデータを消すのもったいないなぁ。
つまりは「大豆田とわ子は最高だってこと」だ。