ぼっちザうぉっちゃー

大豆田とわ子と三人の元夫のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

大豆田とわ子と三人の元夫(2021年製作のドラマ)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白かった。坂元裕二脚本作品の中でもトップクラスに面白かった。これを楽しみに一週間過ごせたらどんなによかったろうと、リアルタイムで視聴できなかったことを悔やんでしまうほどであった。

坂元裕二作品の松たか子における信頼度はもう完全に揺るぎないものになったな。んでめちゃくちゃ歌上手いんよ。まず声がきれい。ほんの軽く口ずさむメロディーすらきれい。そして超絶お洒落エンディングで爆発する歌唱力。毎回バージョンが変わる中一つ貫かれた美声。松たか子(大豆田とわ子)with 3 exesということがより印象付けられる。
そして個性的な元夫たちはもちろんのこと、個人的に市川実日子がめっちゃ良かった。そりゃこの人坂元裕二脚本に合うはずだわと、先に気付けなかったのがなんだか悔しく思えるくらい。

そしてまた今作は、子憎たらしくもしっかりとわ子と三人の夫との接点を担うように娘が立ち回っていたり、元夫三人がそれぞれ懇意にする女性たちの女子会だったり、メイン以外の人物も豊富で組み合わせも多岐にわたっており、永遠に楽しめそうな舞台が確立していた。
伊藤沙莉の語り出しで始まるフラッシュフォワード的な演出もユニークで、毎回とても愉快な気分で物語の導入を迎えられた。
そしてやっぱり坂元裕二脚本作品は毎度食事シーンにギュギュっと魅力が詰まっとる。

個人的な爆笑ポイントは、劇場版「逆に愛してる」(ワードセンスがおもろ過ぎ。ちゃっかりシーズン4まで制作されててまた笑う。)と整体師の「いくぞぉ」(実際言われたら戸惑いと恐怖なかなかのものだよな。)

友を失い、娘と離れ、寂しさが加速する第二部を経て、網戸を直してもらえる人を見つけたり、一人で直せるようになったり、関係が変わったり変わらなかったり、内面が変わったり変わらなかったり。
そういった人生の、ライフステージにおける過渡期を、大人の恋愛を通して描き切ってくれた全十話。まだまだこれからと、少し軽く、そして勇ましい足取りで、自らのこれからに飄々と歩みだす心地よさを得ることが出来た。
とにかく何が言いたいかというと、大豆田とわ子は最高だってこと。

以下お気にセリフ
・離婚は自分の人生に嘘つかなかった証拠
・人生に失敗はあっても、失敗した人生なんてない。
・一人でも大きなことは変わらない、小さなことが疲れる。
・「違う」人と一生、なんてね。