猿山リム

ネメシスの猿山リムのレビュー・感想・評価

ネメシス(2021年製作のドラマ)
3.8
 最終回からだいぶ大分日にちが日にちが過ぎてしまったけれど、録画していたモノをようやく全部鑑賞。
 第一話より前に、なんとなく予告が気になり、録っておいたモノ。

 新装開店の探偵事務所から始まる物語は、依頼人をえり好みしながら事件解決を重ね、実はそのえり好みした事件から別の事件のキーワードを拾い出し大きな事件に挑む流れ。
 全10話。
 ポンコツ探偵と、天才的な助手のコンビで、乱暴に解釈するなら毛利小五郎が眠らず、コナンくんに答えを聞きながら推理を開陳するような構成。

 普通の事件を追う序盤パートは、普通に本格として謎解きメインで面白い。
 ヒロインで助手が、事件の手がかりを振り返るシーンが所謂「読者(視聴者)への挑戦」の役割を持ち、ココまでの描写で事件が解決できる情報を伝え切れたことを暗示させる。
 ロジックで固められた物語は、普通に本格ミステリとして○。
 登場人物を分かりやすくするために、敢えてコテコテな造形なのも「本格」的であり、いいいみで人間が描けていない。
 ドラマの時間内でスパッと解決させるために配置されているわけで、超人的な人員配置は分かりやすくていい。

 物語の大きな流れは、ミステリからはみ出した感じであり、本格の得意な流れからもはみ出て、ロジックが雑に思えて残念。
 ミステリからはみ出したとしても、最後までロジックに拘って欲しかった。
 土壇場で方向性が変わった印象。

 役者陣が豪華なことにも触れるべきなのかもしれないが、個人的にそっち方面に興味が薄いので割愛。
 この話なら、オール無名でも面白かったと思うし。

 DVD-Boxを買うかは迷い中ではあるが、面白い構造の小説版は全部買ってみた。
 何やら仕掛けがありそうで読破が楽しみ。
猿山リム

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