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桜の塔のmaroのレビュー・感想・評価

桜の塔(2021年製作のドラマ)
3.5
2021年春ドラマで面白かった順位:1/2👑
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

警察が舞台のドラマで、大まかに言えば刑事ドラマになるんだろうけど、これまでの同ジャンルのドラマとは少し違って、事件を追うことよりも、組織内部における出世争いや派閥争いに重点を置いた内容だった。

昨今の日本のドラマでは珍しく、トップを目指すことに固執する男たちばかり。
上條(玉木宏)に関してのみ、トップを目指す理由が、私利私欲のためではなく、あくまでも父親が命を絶ったことに対する復讐心から。

とはいえ、彼らの欲望むき出しの泥臭い人間ドラマは、豪華キャスト陣の演技力もあって、見ごたえ抜群だったように思う。

ここにいる男たちの野心の強さには、キャストの年齢もあってか、昭和っぽい印象を受けつつも、ヒーローに憧れる少年のようにも思えた。
“一番を目指して本気でバカをやる”の大人版ってこういうことなのかも。

それにしても、警視総監ってそんなになりたいものなのか、正直イメージがわかない。
逆に責任は重くなるし、命も狙われかねないし、面倒なことが増えそうじゃないかと思うけど。

でも、自分がやりたいことを実現したり、組織の在り方を本気で変えるには、結局トップに立つしかないというメッセージを誰もが持っていたことは、少し共感できる部分もあった。

上條は復讐を果たすために、散々好き勝手やってきたけれど、彼には命を懸ける覚悟あったんだよね。
ラストで、幼馴染の爽(広末涼子)が彼に銃を向け、引き金に指をかけたとき、上條は一歩前に出たから。

死ぬのが怖かったら、そのタイミングでは後ずさりすると思うけど、あえて前に出たということは、むしろ死ぬことが本望だったからなのかも。

とはいえ、このまま撃っても上條が"死なない"ことをわかっていたから、爽はああいうことをしたんだろうけどね。
ある意味、いいプロレスだった。

警察が舞台なのに刑事ドラマ感は薄く、むしろ上條が毎回終盤で、自分が仕組んでいたことを明かすのは探偵ドラマ感すらあったから、そういう意味では差別化された刑事ドラマと言えそうかなー。

でも、全体的にやや冗長で、淡々と進んでいくところも多かったから、個人的にはそこまでのめり込めず。
『半沢直樹』みたいに顔芸があったら、いいスパイスになったかも?(笑)

あと、玉木宏と馬場徹と渡辺大知は歳の差があるけれど、
同期っていう設定は不自然なんじゃないかと最後まで思ってた(笑)
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