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分別と多感のtaruponのレビュー・感想・評価

分別と多感(2008年製作のドラマ)
4.1
 特典映像のスタッフインタビューの中で、単に映画から時間を延ばしただけのものにしたくなかったと語っている通り、エマ・トンプソン主演の映画版をかなり意識して作られたこれは、ドラマ版ということで尺がとれることを、間延びした薄味のものにすることなく、より分別の象徴のエリノア、多感の象徴のマリアンヌの個性を際立たせて、それぞれの恋の在り方の違いを見せるのに成功していると思う。
それは、エリノアとマリアンヌ自身の描き方もあるけれど、その相手役となるエドワードとウィロビーをより描きこんでいることによる部分が多いと思う。
エドワードが、心ではエリノアの惹かれていても、ルーシーとの約束に対して誠実に対応する姿勢をよりわかりやすく描いていること、エリノアもルーシーにきちんと対応したエドワードの姿勢を評価していることで、分別ということが描かれている。
また、ウィロビーとブランドン大佐の養女とのことも、決闘シーンも含めよりいろいろな角度から表現されているため、よりウィロビーの享楽的な側面が強調されている。
また、どちらかというと当時の重大テーマであった結婚における財産問題が比較的強調しすぎず扱われているので、より恋愛ドラマとして現在の私達には見やすいものになっているのかなと思う。

個人的には、ダウントン・アビーでマシューロスに陥った1人なのでダン・スティーブンスのエドワードを見ているだけで大満足。
エリノアのハティ・モランハンも好感がもてる。

よかったのは、バートンコテージの風情がとても素敵だったこと、ブランドン大佐のお屋敷の外観のかわいらしさ等も含めイングランドの景観が堪能できたこと。特に、デボンの風景は素敵でした。
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