”楽しさ全開”
スーパー戦隊シリーズ45作目を飾るメモリアル的作品。
大きなお友達の自分から見ても楽しめる、笑いあり・涙あり、そして思わず童心に帰ったような”ワクワク感”を享受させてくれる唯一無二の特撮ドラマとなった。
✏️絶妙
この世のあらゆる映像作品には「ワクワク」「ドキドキ」「感動」「怒り」など、その作品の特徴を表す「感情パラメータ」のようなものが存在する。
そんな中で本作は、「とにかく楽しい」ことに全力全開で力を注いだ特撮ドラマ。
まず特異な点は、主人公・五色田介人(駒木根葵汰)以外のゼンカイジャーを構成するメンバーが全員ロボット(=生身の人間が演じていない)ということ。
初め、このシチュエーションには少なからず不安を覚えた瞬間もあったが、蓋を開けてみればそんな心配などどこ吹く風。
プロのスーツアクターとプロの声優が演じる、「ネタ」と「ガチ」の絶妙なバランスでお届けする人間(機械?)ドラマ。
戦隊シリーズのみならず、ニチアサ特撮作品の主演というものは、新進気鋭の若手俳優が演じることが通例だった。
そんな壁をぶち壊しつつ、ひとつの特撮作品としてしっかり成立するクオリティの映像を見るのが、毎週楽しみで仕方がなかった。
✏️センパイ
メモリアル作品というだけあり、「過去の戦隊ヒーローの力を借りる」という戦闘スタイルもゼンカイジャーの特徴のひとつ。
しかし、過度にその設定に頼りすぎずあくまで自分たちの力で難局を乗り切り、本当に必要なときだけ「先輩」たちの力を借りるという姿には好感が持てる。
ともすれば、同じくメモリアル作品である『海賊戦隊ゴーカイジャー』を焼き直したような作品になってしまうからだ。
(ゴーカイジャーは、姿形が過去の戦隊そっくりそのままになるだけでなく、能力などもほぼそのまま行使できた)
メモリアルのお祝いをしつつも、オリジナルの特撮作品としての矜持もしっかり併せ持っている。
☑️まとめ
なんだか久しぶりに、毎週日曜朝が楽しみになるような作品に出会えた。
約1年に渡る彼らの活躍はいったん幕を下ろしたが、本作だけに留まらず、ゼンカイジャーのこの設定(平行世界を行き来できる・介人以外の人物が全員ロボット)という特徴を活かせば、『仮面ライダー電王』の如く今後ほかの特撮作品への出演も夢ではないはず。
ぜひまた、画面上での彼らの「全力全開」の活躍を目に焼き付けたいところ。