彦次郎

ひとりで飲めるもん!の彦次郎のレビュー・感想・評価

ひとりで飲めるもん!(2021年製作のドラマ)
3.5
化粧品会社「コスメーズ」の広報部リーダー紅河メイの仕事帰りの食巡りを描いたグルメドラマ。原作はコナリミサト氏の漫画でページ数は少ないながらもドラマと根幹は変わりません。
昨今のグルメドラマは食べている人間のモノローグが中心となる『孤独のグルメ』型が新たなジャンルとなっていますが本作もその潮流にあります。違いというか特徴を挙げていくと
①主人公が容姿端麗で仕事もできる一見すると完璧超人②食べる先は絶対大手チェーン店③食べると「なまらうみゃ~」というMIX方言とともに頭身が縮む④店先で必ず謎の男がいて食事か飲みのアレンジを示唆する
といったところでしょうか。
大体このジャンルでは前半が仕事パートで揉め事やらトラブルやらを描いて仕事後に店を探して後半で食事パートとなっていて日常が繰り返される形式です。ただし本作では紅河メイの同僚が辞めて熱意が空回りする新人が出てきたり上層部への不信感で転職に迷うなど話が続いていくのが特徴です。
直属の上司が駄目上司だったりするところは『晩酌の流儀』に通じるものがありますがコスメーズ取締役である是枝蝶子は紫吹淳の存在感のある演技により先輩としてのカリスマ的かつメイの食事に執着して尾行するという面白いキャラになっていました。ライヴァル会社「美勢堂」の朝丘類次もチャラチャラした2枚目というテンプレートみたい男ですが実は誰よりも仕事に燃えており食事は超短時間で済ませる効率人間というギャップが良かったです。
舞台がチェーン店ということで店との関わりは希薄ですがその分食事にクローズアップされています。それにしてもタメ語で注文するというのは育ちがいいんだか悪いんだか(オヤジは大企業の専務だけど)分からんですがクールそうな大政絢が演じるとサマになっていました。
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