いめーじ

ゼム シーズン1のいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

ゼム シーズン1(2021年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

黒人家族が引越し先で嫌がらせを受けまくる話。
近所に味方はいないし女性達の陰湿な差別と男性達のマッチョな差別は留まるところを知らず、おまけに怪異まで家族を引き裂こうとしてくる逃げ場の無い地獄。
露骨な攻撃や何気ない会話に混ざる差別にどこまで気付けるかな!?

映像作品としては凝っていておもしろいし、幻覚描写の多さも俺好み。
モノクロ回のショタ悪魔?が映る度に見た目が変わるの不気味すぎて良かった。

上司の「期待」とか「推薦」みたいな言葉は見下してるからこその特別扱いであることが伝わってくるから腹立たしい。

黒人に漂白剤ってのは加害としてもあったんだろうし、自分の肌を醜いものだと思い込まされて自ら浴びてしまうパターンも最悪すぎるな。

理不尽を押し付けてた人間が思いもよらない方向の理不尽に巻き込まれていたのは皮肉としても話としてもおもしろい。

ズラズラと攻撃する理由を並べても、未知の恐怖から逃れたいだけで情けない弱さを晒しているだけだった。

同族コミュニティの居心地の良さは尊いけれど、追い込まれた先の逃げ場としてそう感じてしまうのなら、それはおかしな話ですよ。
今や黒人に憧れる白人やアジア人もいたりするわけで、時代の変化に感謝だなぁとは思いつつも、未だ完全には払拭されていないだろうし、いろんな人種の中でも性差別やルッキズムが蔓延ってるからどうしようもない。

最終話は家族との絆が戻る瞬間の回想が凄く良かったし、お前たちがいくら不快に感じようが私達は堂々と生きるぞ!と言わんばかりのラストカットも熱い。