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ヒヤマケンタロウの妊娠のKのレビュー・感想・評価

ヒヤマケンタロウの妊娠(2022年製作のドラマ)
3.5
キャリアマンの妊夫というマイノリティへの偏見と差別を描くだけにとどまらず、パートナーの女性:アキが仕事を突き詰めていく際の"女性はキャリアを捨てて男性の仕事を支えるべき、家で子守りをするべき"という周囲の無意識の刷り込みなども描かれている。設定だけに収まらない佳作。

女性だけの意見しかない時はほとんど社会にその声は蔑ろにされるのに、男性がこの制度は不便だとか偏見だとか声を上げると、途端に可視化され制度化されていくのが現実の焼き写しで苦しい。最終回で、アキが「会見で言ってたこといつも私に言ってたことと正反対、綺麗事だよね」と呟いたり、まだ行き届かない育休や会社のサポートを望むケンタロウが会社の女性同僚達に「私たちはそれが普通なんだけど」とどやされていたのがそう。今まで見てこようとしなかったものを、新鮮にやっと見つけた素振りをして、自分たちの手柄に、すな!
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