竜平

シークレット・インべージョンの竜平のレビュー・感想・評価

3.3
「マーベル・シネマティック・ユニバース」配信ドラマシリーズ第8弾。密かに、しかし着々と進行していく異星人「スクラル」による地球侵略、その脅威に我らが「ニック・フューリー」が立ち向かう。全6話。

たしか『キャプテン・マーベル』にて初登場し、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でもちょいちょい見え隠れしていた地球外の種族スクラルがじつは知らないうちに世界中の至る所に潜伏していてさあ大変、という話。攻撃力などのスーパーパワーでなく、知能、そして「他人に姿を変える」という生まれ持った特殊能力でじわじわと侵略してくる恐怖感に序盤からワクワク。まさに侵略系のSFサスペンスの様相、これはMCUドラマシリーズでは初めての雰囲気。で今回はなんと言ってもサミュエル・L・ジャクソン扮するフューリーが初主演。MCUの1作目『アイアンマン』のおまけ映像にて登場してから15年目にしてようやく。他にはベン・メンデルソーン扮するスクラル人「タロス」、コビー・スマルダーズ扮する「マリア・ヒル」、ゲスト出演的な枠でドン・チードル扮する「ローディ」やマーティン・フリーマン扮する「エヴェレット・ロス」など。また今回からエミリア・クラーク、オリヴィア・コールマンといった新キャストも参戦。最近の個人的お気に入り女優コールマンが今作でもめちゃくちゃおもしろい役どころ。登場シーンとそこで見える非情な性格、良き。

各話なかなかシリアス。普通に登場人物が死んでしまったり、誰がスクラルなのか見えなかったり、マジで何が起こるかわからないハラハラ感というのが毎話ある。で、スクラルによる地球侵略をがっつりメインで展開していくかと思いきやじつはそうでもなく、主人公フューリーの老いやら過去の過ちやらとの対峙、人間ドラマに焦点を当ててる印象。責任と、とある理由から他のヒーローに頼ることができない重圧とでフューリーもかなり追い込まれる。でまぁ、シーズン2を作る気満々なのか、今回で解決しない問題というのが多々。良く言えばMCUの今後のためにバッチリ伏線を張った、わるく言えばまとめきれなかった又はまとめる気がなかった、という感じか。今回でフューリーのパーソナルな部分も見えたは見えたけど、そこもあまり上手く着地してくれなかった印象。そんで最終回がちょい尻すぼみ。毎話じわじわと「これは来週ヤバいことになるぞ」と期待値が上がっていって、でも気づいたら全話終わってた、という。ワクワクを誘う内容であったが故にちょっぴり残念。まぁどんな形にせよ続きが描かれるのは確実だしその都度見るのも大前提だからこの辺で黙ることにする。ドラマ次回作は待ってました、『ロキ シーズン2』。
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