Moiai

シークレット・インべージョンのMoiaiのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

The blip後のセルフケア、というフェーズ4以降の大きなテーマがフューリーにも課せられ、ただの人間であるフューリーはどうやって乗り越えていくんだろうとワクワクしていたら、そのへんはほっといてとにかく目の前の問題にのみ対処するフューリーで、ある意味なるほどなと納得はしました。そしてエージェントは仲間の死を引きずっていたらキリがないのもわかる。けども、これまでずっと大事にしてきたキャラをこんなふうにサクッと殺してしまうのは、あまりに人の心がないんやありまへんか(謎人格) ふたりとも物語の波(しかもそんなに大きな波にもならない)をつくるだけのために殺されてしまった感じがしてモヤモヤした。
移民問題というこの作品だからこそ描ける大きな問題への言及についても、現実を超越することはなくただただ苦々しい気持ちになる。それはまあ現実であるから仕方がないにしても、愚かな米大統領を描くには少々時機を逸しているような気もしたし、全部中途半端でもったいない。あの大統領の愚かさは批評性うんぬんではなく今後の展開として必要なだけかもしれませんが。

それにしてもスーパースクラル人クリエイトマシンとか、とにかく何もかもが盛り上がりのためだけのしょぼいギミックにしか見えずいちいち白けてしまったし、最終話のガイアとグラヴィクの戦闘はライセンスブランドを見るような物悲しさを感じた。ソーニャパートだけは例外的にずっとよかったので、もはやソーニャを主役にするか、あるいはフューリーがただただクライシスと向きあう静かなロードムービーとか瞑想映画(瞑想映画?)のほうがよっぽど面白かったんじゃ?と思いますね。まあフューリーはどこまでもpragmaticだと考えるとこの畳み方も別におかしくはないとは思うんですが。でもやっぱキャラの扱いに愛がなさすぎるように見えてしまって全然ダメ 残念だ フェーズ5大丈夫かな………
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