ヒムロ

シークレット・インべージョンのヒムロのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

他人の姿だけでなく記憶までコピーして成り代わることの出来る異星人スクラル星人。
ニック・フューリーの影のスパイとして地球を救っていた彼らの中から反乱分子が生まれる。
隣人すら本物とは見分けがつかない状況でフューリーはアベンジャーズの力を借りずに戦う事になる。


なんかすこぶる叩かれているらしいが個人的にはかなり面白かった。
サミュエルLジャクソンが演じているから許されるような不遜で横暴な物言いのフューリーだったが、主人公に置かれるとなんて不快なキャラなんだと思わされる序盤から一点。
段々と老いと自分自身の内面と向き合い人間として柔らかくなっていくのは良い。
6話という短さでは少し急な感じがあってそのために周りの人物を殺しすぎているのは難点だが。

グラヴィクはヴィランとしては今まで類を見ないほどの直情的というか短絡的というか、シンプルに暴力で全てを片付けようとするタイプなのは面白かった。
まさにフューリーやタロスの真逆という感じ。

そしてその2つのレールのどちらでもない所を行くガイアとソーニャというキャラも痛快。
シンプルな善と悪の物語のMCUに今後どう絡んでくるのか期待。

スクラル人の問題は現実の黒人問題や移民問題を想起させるような展開が多く、ファルコン&ウィンターソルジャーでも描いていたように現実社会での重いテーマとリンクしているのが面白い。
特にフューリーの「地球人同士でもまだ分かり合えない」という言葉は非常に重い。
世界を救うようなMCUシリーズを見ていながら攻撃的な言動を振り撒く批評家気取りの人々には痛恨だったろう。

といいつつやっぱり僕もスクラル人の設定はちょっと扱いに困ってる感が拭えないとは思う。
誰が本物なのかという今回のドラマのコンセプトはサスペンスとして非常に面白かったが、今後もこれをずっとやられる羽目になるのは困る。
良い塩梅で着地させてほどほどにスクラル人を利用してもらいたい所。

ラストバトルは個人的には微妙だった。
スクラル人同士の決戦で未来を決めるというのは分かるのだが、スーパーヒーローの力を借りずにフューリーが戦うドラマだと聞いて見た気がするのだが…。
とはいえバシバシ色んなスーパーパワーで戦うシーンは最高…なのだがいかんせん短い。
ドラマだから予算の都合か?
どうせならもっと能力出し合って映画ぐらいのバトル尺で見たかった。
ヒムロ

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