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ナイト・ドクターのmaroのレビュー・感想・評価

ナイト・ドクター(2021年製作のドラマ)
3.5
2021年夏ドラマで面白かった順位:2/3
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

日曜日の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』からのこれ。
しかもこっちも救命救急寄り。
医療大国ニッポンかなって(笑)

『TOKYO MER』は圧倒的なキャラクター性を持っていた喜多見チーフの下、「患者の命を救うこと」に特化していた。
『ナイト・ドクター』はちょっと方向性が違って、5人の若者の群像劇と成長譚に焦点が当たっていたかな。
だから、『コード・ブルー』っぽさをやや感じる(笑)

もちろん、こちらも運ばれてきた患者は全員助けるという(特に朝倉美月(波瑠)の)想いはある。
でもそれ以上に、医者である前の「ひとりの人間として」どうあるべきかを伝えていた気がする。

母親を亡くした朝倉だからこそ、助けられる命は何だって救いたいと主張する朝倉。
生まれつき心臓が悪いからこそ、不公平という状況に敏感で、自ら運命を切り開くことを望む桜庭(北村匠海)。
美容クリニックをやっていた両親から整形を勧められ、あるがままの自分に自信が持てずに着飾ってばかりいた高岡(岡崎紗絵)。
患者への配慮が足りず、起訴されてしまったことで、患者に寄り添うことを身をもって痛感した成瀬(田中圭)。
技術も知識も十分にあるのに、一歩踏み出す勇気が足りなかっただけで、いつもみんなから出遅れていた深澤(岸優太)。

5人とも育った環境や過去の経験、自分の性格によって生じている問題や壁と向き合い、乗り越えていく過程は、青春モノに近い雰囲気も感じた。

さらに、昨今の働き方改革の影響を受けたかのようなメッセージも印象的で。
それは、長い人生の中でやりたいことをひとつに絞る必要はないというもの。
だから、ナイト・ドクターと並行して、成瀬は脳外科の勉強をするし、桜庭はビジネススクールに通うし、キャリアの築き方も現代っぽいなと感じる部分はあった。
だいぶ意識高いなって気もするけど(笑)

なので、舞台は病院だけど、中身としては医療モノというより、もっと広い意味でのヒューマンドラマやキャリアアップドラマとも捉えられるかなー。
けっこう自分と向き合う話が中心だったので、医療モノに多い緊迫感やスリル、わかりやすい対立構造やチームワークって要素は薄かったかも。
あと、毎回ポエムで始まり、ポエムで終わるってのは、個人的にはなんかちょっと苦手だった(笑)

そして、全話観て思ったのが、岸優太の演技がとてもよかったということ。
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