これを見たくてネットフリックスに登録。
日本のドラマや映画にも、難聴者に優しい日本語字幕があるのがありがたい。
本作は１話目から、各キャストのキャラクターがはっきり出ている。
これは巧いつくり。
演技と自然な発声では、鈴木亮平と菜々緒、鶴見辰吾、賀来賢人がさすが。
各エピソードで起こる事件は毎回違う工夫がされていて、本邦では「頑張っている」連続ドラマだと思う。
だがしかし。
都知事役の石田ゆり子は、都知事にまでのしあがる政治家の骨の太さが感じられず、のちの回で多少挽回するもミスキャスト感強め。
研修医がＥＲ車両の中で単独オペをする等、事故現場で緊急手術をする以上にありえない話や、回を追うごとに着地がワンパターン化していったのも残念ポイント。
日本のＴＶドラマはどうしても、ＢＧＭ含めて、感動の押しつけから逃れられないらしい。
鈴木亮平といういい役者――オペ場面での ‘臨床経験豊富かつ優秀な、年齢的には中堅の医師’らしい冷静さと滑らかなセリフ回しは、実際にオペ室での応答を見聞きしないと出てこないし、特にすばらしかったのはラスト前後編の二話の演技。――を使うなら、話もキャスティングもできるだけリアルに近づけて、お茶の間エンタメの枠を越えてほしかった。
＜追記＞
警察側に制服の巡査組とスーツを着た上位組がいるとき、日本のドラマのキャストたちは、なぜか巡査組たちに無茶ぶりをする。
警察組織は軍隊と同じで、上意下達の指揮系統は絶対。そむけば減棒や停職、下手すると懲戒免職が待っている。日本の警察組織は、労働組合をつくってはならず（＝行政公務員のような護られ方をされてない）、下級警察官は現役時の給料が安い。一般人に対しては権力の代行者ではあるものの、組織内の３Ｋ職なのに、立場が低いほうだけに人情に訴えるシーンを見ると胸が痛くなる。たまには巡査組を無視してスーツ組に食ってかかるシーンを観てみたいものだ。
