なお

超速パラヒーロー ガンディーンのなおのレビュー・感想・評価

3.0
平成仮面ライダー20作品目『仮面ライダージオウ』にて主役を務めた奥野壮さん主演。
NHKでは異色の本格特撮ドラマだが、テーマや演出などどことなくテレ東っぽい雰囲気も漂う。

自身の夢である「宇宙飛行士」を目指すための足がかりとして、パラ陸上に情熱を燃やす<森宮大志>が主人公。
ある日突然地球に襲来した宇宙生物に対抗すべく、大志は車いすを駆り戦うスーパーヒーロー「ガンディーン」となる。
大志のコーチである<深宮京>と仲間の力を借りながら、地球とパラスポーツの平和を守るために戦う、というストーリー。

特撮作品としても、パラスポーツに対しての啓蒙というテーマ作品としても、全体的に中途半端な印象だった。
シーンの大半は大志たちの対話に割かれており、ここで何かパラスポーツに対するメッセージ的なものがあれば良かったのだろうが、それを強く感じられる瞬間はほぼなかった。
一応、車いす陸上競技のトップアスリートである樋口政幸選手が本人役として第1話と第3話に出演しているが、その登場シーンはわずか数分。
第3話に至ってはセリフすらない。

また、特撮作品として。
「車いすを操って戦う」という制約がある上に、某光の巨人が戦うサイズの巨大怪獣が相手役のため、シーンの大半をCG合成に頼らざるを得ない。
そのため、せっかくの戦闘シーンにおいても臨場感やワクワク・ハラハラ感というものが感じられない。

ストーリーもご都合主義的展開だな、と感じる点が多く(大志の幼なじみである<清名理央>が、異星の言語を「なんとなくそんな感じ」で読解できてしまう点など)、色々と展開を急ぎ過ぎている印象。

今回6月26日から1週1話の全3話構成で放送されたものを”シーズン1”とするならば、既に”シーズン2”への布石も打たれてはいる。

だが、どうだろう…
最初から続編ありきなのであれば、この3話にアレコレと詰め込みすぎないで、1つの作品としてゆっくり育てた方が良かったのではないかな、オリンピックブームの中でお届けする一過性の作品で終わりにしてほしくはないな、と思った。
なお

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