なっこ

克服の社交ダンス~小さい僕と大きな私~のなっこのレビュー・感想・評価

3.1
女にしては背が高過ぎる
男にしては背が低過ぎる

日本もよく恥の文化だと語られるけれど、韓国ドラマでも“恥”はキーワードとしてよく目にする。

実際には1話ひと続きの物語を3話に分けたものを見たので、少し端折られていた部分もあったかもしれない。個人的にはオリジナルの長さでひと続きに見た方がもっと分かり易かったのではないかなと思う。あと、ラストの発表会のダンスはとても素敵だったのでもっとじっくり見たかった。
そして、後日談とかを加えてもう少しハッピーなふたりのその後を描いてほしかったな。

早期卒業を目指す女の子サイドからお話は始まって、途中からダンスのパートナーである男の子サイドの視点になっていった気がした。ふたりが近づくきっかけになるのは社交ダンスの講義。くじ引きによってふたりはパートナーとなる。

でこぼこなコンビ

恥ずかしいのは自分なのか、一緒にいる相手なのか
自分の心と過去に向き合うことになるふたり

ダンスが互いの心を近づけていく。

恥ずかしいのは逃げてばかりの自分自身だと指摘されると痛い。恥をかかされた、というより尊厳を傷つけられた過去を持つ者はそう簡単に自分の弱みを他人にさらしたり出来ない。それはあなたが弱いからだと言われてしまったらもうさらに傷付くしか道がないからだ。彼の場合は特に弱さを克服するというよりも、強くあることから降りることで肩の力が抜けていくようだった。

チグハグなふたりの辛いダンスではなく、
ふたりにしか出来ない楽しみのダンスを目指したときに彼らは本当の意味で新しく前へ進めたのだと思う。

まずは自分の重さを知らなければ相手をかかえることは出来ない

逃げずに真正面からぶつからないと一本投げは出来ない

格闘技やダンスなど、相手のあることを極める人は、その言葉が人生の格言のように響く。

良いドラマでした。
なっこ

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