sidepocket

前科者 -新米保護司・阿川佳代-のsidepocketのレビュー・感想・評価

3.9
前科がある人間に対して、どのように寄り添えるのか。ただ無償の奉仕を行うだけでなく、その人の今後をおもい心を強く持ち支えていくのは途方も無い艱難辛苦に耐えなければならないのだろう。
有村架純演じる阿川は新米かつクソがつくほどの真面目で、どこか自己中心的な危うさを感じさせる。物語ということまあり、この阿川が保護司の領分を逸脱するようなことばかり行っているように見える。しかしクソがつくほどの真面目であればこそ、過去の経験からも困っている人を見過ごせないのだろう。
保護観察処分対象の登場人物たちの表面上の罪状だけでなく、もっと深い闇の部分も詳らかにされていく。もし自分がそばにいたらどのように声をかけられるのだろうか。何も出てこない。阿川が最終的な無力感に打ちひしがれるのも至極当然だ。
sidepocket

sidepocket