無影

相棒 season 21の無影のレビュー・感想・評価

相棒 season 21(2022年製作のドラマ)
3.0
初代相棒が返ってきたメモリアルシーズン。亀山君は右京さんから揺るがぬ正義を教わり、シーズン7以降は、サルウィンでそれを実践していました。しかし、シーズン6最終回で官房長に示唆されていた通り、特命係を動かしていたのは、右京さんではなく、実は亀山君でした。亀山君と出会うまでの右京さんは、一匹狼というか、人質立てこもり事件の悲劇からか、どこか人と関わるのを避けているような気配がありましたが、その扉を亀山君がこじ開けました。それ以降、右京さんは自分には理解者(相棒)が必要だと気付き、3代目は自らスカウトしたりもしていました笑。つまり、右京さんと亀山君は、シーズン7でのお別れ以降、互いが互いから得たものをそれぞれ実践していたのです。その先で再び2人が出会うというのは、何とも感慨深かったです。
といいつつ、やはり亀山君が戻ってきただけでは、お話もその頃のような勢いを取り戻すということはありませんでした。個人的に印象に残るお話がありませんでしたし(強いて言えば第6話と第19話…?)、初めから犯人が分かっているお話が多いなという気がしました。その場合、お話の力点は、事件の真相を解き明かしていくミステリーよりも、犯罪に至った登場人物たちの経緯や心情に移りますが、それが多いと、もはやミステリーを組み立てられる人がいないのかなとか勘ぐってしまいました(ミステリー型のお話でも、大体犯人が分かったり、トリックやきっかけが偶然や通常あり得ないイベントだったりすることが多かったです)。
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