こいももか

しかたなかったと言うてはいかんのですのこいももかのレビュー・感想・評価

3.4
戦時下で行われた大学病院での人体実験をめぐり、罪にかけられる医師。疑問を抱きながら上司に逆らえず、上司は軍の命令に従って非人道的なことに手を染めていく。。

人体実験の描かれ方がえげつなくて目を覆いたくなった。でも当時実際に行われていたことと考えると、戦争は戦いの裏でもっと恐ろしく理不尽なことがたくさん潜んでいたのかと、改めて争いNo moreと思うばかり。

石の鳥居は、上司に逆らえずするべきでないと反対していた人体実験を、結局とめられなかった。
罪を着せられ絞首刑の判決で巣鴨刑務所に投獄されるが、真実を明らかにする熱意と信念を失わなかった妻と家族の支えで罪は軽減され、10年後釈放される。

信念をもって甲斐甲斐しく家族を支える妻の役、やはり蒼井優はまるよね。
最近の映像における加齢の姿、特殊メイクの浸透で同じ俳優がかなり幅広い年齢を演じるのは、不自然に若いままではなく技術を感じておもしろい。それに付随して声やトーン、ペースを変えて演じる俳優さんだと、見た目との違和感なく自然に魅入る。

自身と年齢の違う役の時こそ、演技力の差が見えやすいと思った。

「しかたなかったと言うてはいかんのです」
ずしりとくる言葉。
戦争、真っ当に考えることや明らかに間違っていることをも奪ってしまう。
争いはどうすればおさまるのだろう。人を尊重して、誰にも家族がいることを思いやって、、、いろいろ考えるきっかけになるドラマでした。