あかっか

いだてん~東京オリムピック噺~のあかっかのレビュー・感想・評価

5.0
落語好きには堪らない。帰ってきたタイガー&ドラゴン?いや、いだてんです!

笑いと涙に溢れた、まるでよくできた人情噺みたいな優れた脚本。極めるところをバッチリ極める演出。時代を巧妙に切り取る美術。演じている人物の魂が乗り移ったかのような役者達の演技。

特に中盤から後半は毎回涙無しでは観られない展開だった。

やはり宮藤脚本の阿部サダヲは、絶対に代わりが効かない唯一無二の存在で水を得た魚。某ピエール氏は途中離脱したが、代役の三宅さんが何事も無かったかのようにそのピースに収まっていたのは流石。

視聴率でかなり叩かれ、近代歴史モノで従来の大河ファンからそっぽを向かれ、見え透いた東京五輪前の盛り上げ役だと罵られたが、ちゃんと内容を観て言っているのだろうか?

重い台詞が幾つもあった。当時から現在に通じる問題を幾つも取り上げてみせた。『オリンピックを中止にするんじゃなく、戦争をやめさせることはできないのかね』まったくその通りだ。『今の日本を誇りを持って世界に見せられますか?』こちらもその通りだ。

いつか再評価される日が、間違いなく来ると思うが、本当に素晴らしい『大河』ドラマだった。
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