冷蔵庫とプリンター

SHOGUN 将軍の冷蔵庫とプリンターのレビュー・感想・評価

SHOGUN 将軍(2024年製作のドラマ)
-
今年ベスト級の傑作。時代劇版ゲームスローンズという感じ。日本の大河ドラマの技術的な質の低さに絶望して見なくなってから暫く経っているが、このクオリティでアメリカに時代劇作られたらいよいよ日本の大河ドラマの先行きも怪しい。

今作が個人的に類似作品だと思うゲースロと決定的に異なるのは、人の死に様。日本のハラキリという理解不能な風習をアメリカ人なりに解釈したのだろう。一人一人の死にあらゆる政治的意図を忍ばせていて面白い。家臣をも欺いて目的を遂行する智将虎長もなかなか見ないタイプで新鮮。真田広之を筆頭に日本人キャスト、日本人スタッフの功績か、日本ヘンテコ描写もあんまり無いから違和感なく見られるのはやっぱりすごい。

ここまで概ね肯定的な感想のみを述べてきたが、まあ気に入らないところもある。
やっぱり「これが日本だ。クレイジーだろ?」を執拗に見せられるのはフツーにキツい。
それが特異な文化や風習(納豆や封建制度など)だけならまだしも、日本人のメンタリティにまで言及したがるのは流石に鼻につく。
なーにが、「日本人は3つの心を持っている」だよ。「心の中の八重垣」?舐めんな。
やたら自死を選択する侍たちも「日本人は死を恐れない」みたいなカミカゼイメージそのままなんだよな。フィクションとはいえ史実に寄せてるから余計に悪く見える。これでゲースロみたいに物の怪の類でも出てくりゃ違うんだが。。