Reno

SHOGUN 将軍のRenoのレビュー・感想・評価

SHOGUN 将軍(2024年製作のドラマ)
5.0
このドラマならこう終わるよねと言う納得感のある美しく静かなフィナーレ

初回3話では、まさにFXだなという海外ドラマ的ゴージャスさに喜び、紹介が終わり4話から本格的に人間ドラマが見えてきて群像劇らしい面白さにワクワクして、5話〜7話でキーパーソンである落葉の方様が出てからはどんどん話が盛り上がり、女性陣の素晴らしい演技の数々に心をガッツリ捕まれ、フィナーレ目前の8・9話にはクライマックスらしい今生の別れの数々が緊迫感と切なさと静かな感情の爆発を巻き起こして、心揺さぶられ…

良いドラマでした…

特に、アンナ・サワイ、二階堂ふみ、向里裕香、宮本裕子、西岡徳馬、浅野忠信が良かったですね。真似したくなるセリフばかり。というか日々真似してた笑 落ち葉の方様と鞠子様、お吟なんかは特に好きなセリフ多くて、暗記して、帰り道にもつぶやいてたし


★Akechi Mariko★
「モナーク」や「パチンコ」などAppleの日本にゆかりのあるドラマでもおなじみで、今やかつての菊池凛子のように海外で活躍する日本人の代表格となっているアンナサワイ!日本語と英語を駆使するアンナサワイカッコよかったな〜 あんな風になりたい!!

あの優しさと聡明さと達観、死生観

安針様との複雑な関係

ファイナルアピアランスである9話ももちろん素晴らしい見せ場がたくさんあったけど8話のモラハラ酒クズ夫文太郎とのお茶のシーンが、ドラマ全体を通しても屈指のお気に入りシーン!!!あそこのカタルシスすごくない??!!!

Mariko's Quote
「この期に及んでまだお分かりにならぬのですね。」「お前様がわたくしに許さなかったのは死ではござりませぬ。」「お前様の手の届かぬ生き方にございます。」「わたくしはお前様とかように死するくらいなら千年生かされたほうがましでござりまする。」
分かります!!!そういう気持ち!!!!

「わたくしは踏み付けにされる小作人ではござりませぬ。偉大なる武将、明智仁斎の娘にございまする。千年続く侍の末裔として、わたくしはどこに囚われることも、人質になることも、閉じ込められることもありませぬ。」「わたくしはいつでも出ていけまする。」

「死を受け入れることすなわち諦めることではござりませぬ。花は散るが故に花なのでござりまする。」

「Life and death are the same, both can have value and purpose」


★Lady Ochiba★
そして、二階堂ふみの貫禄素晴らしかったな〜〜 かっこよすぎ!!二階堂ふみ、これからもヴィラン演じて!!!よくこのドラマはゲームオブスローンズを引き合いに出されるけど、海外ドラマ大好き人間としてもっと細かく言うと前日譚であるハウスオブザドラゴンの方が近い気がするよね このふみ様が完璧に演じてくれた落ち葉の方様も、GoTのサーセイやHotDのアリセントを思い出す感じでたまらなかった!!鞠子様と幼い頃は城で共に育った絆のある二人というのもHotDのアリセントとレイニラを思い起こさせる感じで。ほんのり二人の間にロマンティックなラブがあったのではないかと感じられる余白があるのも、アリセントとレイニラっぼいよね。
笑顔で棘刺す感じが最高!!

Ochiba's Quote
「他の誰にもできなかったことじゃ、何百人といたおなごたちも大勢いた側室達も、大蓉院様ですら」
「お世継ぎの母となれたはわたくし一人。」「なにゆえか?その方にはわかるか?」「宿命に己の姿を見せつけたからじゃ」「故に宿命の目をえぐりだすことができたのじゃ」

「わたくしには鞠子殿がおった。じゃが鞠子殿は遠くに行ってしもうた」

「じゃが今はわかる。何をさせてもそつがなかった幼子は胸に怒りを秘めておったのじゃ」



★Yabushige★
さらに浅野忠信!!!トランスフォーマーでいえばスタースクリーム??笑 保身第一で、用意周到でおべっか使い虎視眈々と権力狙ってるつもりなんだけど、なんだかんだボスや周りの動向に驚かされてばかりで、常日頃から死を覚悟して遺書を書いてたりするところがなんか、憎めないお茶目さを醸し出してて 安針様とのやりとりも最初はひどいもんだったけど、最後の方は可愛かったよね笑笑 いや〜〜 本当よかった、、



★Gin★
そしてお吟もお気に入り!!宮本裕子の声もカッコよくて!!!個人的にまたこの制作チームでドラマやるとしたら、お吟をメインにして、ようやく始まった江戸時代、虎長様の治世で念願の遊女の大規模組織を率いる人間ドラマをやってほしい!!!大奥みたいなかっこいい女性達のドラマ見たいじゃん!!

Gin's Quote
「うちの茶屋についてお聞き及びかどうか存じませぬが、並の遊女屋とは違うということはご承知おきくださいませ」「誓って申し上げますが、大判五枚は当たり前のお代にございます。」

「宿命は刀と同じ。それを操れるものにのみ味方します」

「私の思い違いだったのでござりましょう。わたくしなぞに何が分かりましょう?こんな遊女の成れの果ての婆に。線香もとっくに燃え尽きました。」


★Kiku★
菊役の向里さんも素晴らしかったね!!!インスタ見たら余計好きになった!!

Kiku's Quote
「快楽とは、ただ痛みがないということではござりませぬ。わたくしにお任せいただければ、本物の快楽をお見せいたしまする」
「見ようとしても見えぬのなら、さらに目を凝らすほかないと存じまする」


★Hiromatsu★
これまた声が良すぎるのが西岡徳馬演じる戸田広松!!!素晴らしいよね!!!あの8話のラストも感動!!

Hiromatsu's Quote
「虎長様… 今生のお別れにございまする」

モラハラ酒クズの息子、文太郎に対する
「生きるのじゃ」「さすればお前も死を許されぬ者の気持ちがわかるであろう」「何があっても殿を見捨てるでないぞぅ たとえ殿が御自らお命をお捨てになったように見えてもじゃ」
も良かったな〜


★Muraji★
虎長様の優秀な間者(スパイ/工作員)である村次も地味に好き!!!殿の忠実かつ優秀で誉高い侍でありながら、ただの小さな村の腰の低い貧相な中年を演じているという渋かっこいい立ち位置!!!しかも鞠子様のように通詞ができるというところもかっこいい!!


★Daiyoin★
大蓉院様も好きだったな〜
落ち葉の方によれば、「大蓉院様は、わたくしが身籠るよう苦き薬草で酔わせ、口にできぬようなことを強いた」だそうだから、清廉潔白ではないのかもしれないけど、死の間際には、太閤様のお世継ぎ作りを側室の落ち葉に押し付けてしまったこと、それにより落ち葉を残酷な女にしてしまったことへの後悔も少し滲んでいて切なかったな〜

Daiyoin's Quote
「女は生きておれば全てを失うやもしれぬ。じゃが全てを取り返すこともできよう。宿命の非情な眼差しを恐れずに見据え、宿命にそなたの生きる様を見せつけてやるがよい」

「石堂は所詮、太閤様お気に入りの小姓止まりの器」「小才は利いても、大成はせぬ」「そなたは手を組む相手を間違うておる。」

死の瀬戸際、落ち葉へ
「わたくしを看取ってくれるのはこのお顔と分かっておりました」
「そなたはあまりに強く、そして脆い」「もう駆け引きはおやめなされ」「わたくしがこれを作ってしまったのじゃ」


★大老衆★
杉山殿も木山殿も大野殿もみんな渋くてこせいがあって好きだった!!石堂はコンプレックスで身を滅ぼしていて、本当、大蓉院様がいう通り終始利用される小物って感じでむしろ可哀想だよね。しかも結局、叶わぬ恋をしていた落ち葉からも案の定、切り捨てられて。かなりクズだったけど、本当に小物すぎて可哀想になる。でも分かるよ!!あんな強くてかっこいい落ち葉様には恋しちゃうよね!!笑

Sugiyama's Quote
「官僚風情に組したわしが愚かじゃった」「どこまで行っても官僚よ」

Ishido's Quote
「拙者は太閤殿下を敬愛しておりましたが、殿下が優しいお方であったというフリをするのはもうやめにしようではありませぬか」「我らはあの苦境を耐え抜いただけでなく、そこに確固たる地位を築いたのでございます」


★Lady Kiri★
あと洞口依子さんが演じた桐の方も良かったね!!珍しく少しひょうきんでユーモラスな気を緩めてくれる存在、情にも厚く聡明で虎長様とも良いコンビ!!



★終わりに★
あ〜 色々楽しませてもらったな〜〜
まだまだ書ききれてないことある気もするけど、とりあえずこの辺で!!

ありがとう将軍制作チーム!!!
大好きな海外ドラマの一つにこんなにも母国の景色と母国語が満ちた作品が出るなんてかつては思ってもいませんでした!!!

海外ドラマ大好き人間の視点では、今年のエミー賞はちょうど例年のように、一つの作品で何人も何部門もノミネートされて総なめするみたいな強すぎ作品がいなそうな気がして、そういう面でも有利だと思うんだよね!!!ぜひ大量ノミネート&受賞して欲しい!!

特に主演女優賞でアンナサワイはノミネートだけでなく受賞も狙えるんじゃないかな???西岡徳馬や浅野忠信、阿部進太郎とかも助演俳優でノミネートされて欲しい!二階堂ふみ、穂志もえか、宮本裕子、洞口依子、向里ゆか、Ako、などもゲストor助演女優賞でノミネートされて欲しい!!
Reno

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