アラバン

ザ・キャプチャー 歪められた真実2のアラバンのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

S1も超絶面白くて一気見だったが、今回は外交絡みでスケールアップ。特に終盤の怒涛の畳み掛けは凄かったし、AIと監視カメラによる管理社会の危険性にもかなり突っ込んでいる。


AIの進歩によってフェイクが精巧になり過ぎたので、もはやエビデンスが機能しなくなりつつあり、エビデンスよりもストーリーテラーが信用される時代(=中世)になりかけている、、という内容の本を読んだばかりなので実にタイムリー。

もともとエビデンスを並べるよりも、悪役を作って感情(特に怒り)に訴えかける、出来の良いシンプルなストーリーの方が影響力が強いのだが、
(酷い目に遭う善人の弱者に感情移入させて効果的に左寄りに誘導する社会派映画とか)、エビデンスとフェイクの区別がつかなくなれば、その傾向に拍車がかかるのは間違いない。

逆に、都合の悪い映像をフェイクだと言い張る事も可能になるのでもはやワケワカメ。

デマを撒き散らして、ありもしなかった分断を創作し、政治的に利用することは、今も普通に行われているが、進化したAIとアルゴリズムによって、今よりさらに「真実よりも真実だと思わせる事」が重要になっていく流れは避けられないのでは、、

そして、この手の技術は独裁国家で開発が進むので恐ろしい。

話がずれまくったが、
このドラマの最後はシーズン1からの流れとしては完璧なフィナーレである事は間違いないが、この主人公はちょっとナイーブ過ぎるのではないか?
もっと言うと、こんな単純化した勧善懲悪でよかったの?
ドラマの意図には反するかもしれないが、民主主義を敵から守るための一番の障害は民主主義体制そのものという矛盾も改めて感じてしまった。
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