ねまる

パースートオブラブ 愛に焦がれてのねまるのレビュー・感想・評価

3.9
「私たちは生まれつき女ってわけじゃない
翼をもぎ取られるみたい
なのに飛び方を知らないと驚かれる」

リンダの言ったこの台詞こそ真意なのだと思う。
今の時代はリンダやファニーが生きた時代とは違うけれど、社会生活の中で突然女として振る舞うことを期待される。
その基盤の中で自分が得る幸福は、自分が望んだものなのだろうか?社会が望んだものなのだろうか。
結婚以外に自分の幸せが選べる、ようになりつつある今。彼女のした2つの結婚と、1つの愛人は、彼女の人生を幸せにしたかは、分からない。
でも、私はリンダの生き方も考え方も出来ないなと思っていたのに、そんなリンダからこんな台詞が出ると思わなくてびっくりした。リンダも型にはめた人間ではなく、リンダはリンダなのだ。

家父長制の害悪とも言うべきか、美しい飾り物のようにしか娘を扱わず、知識をつけたファニーに嫌悪感を感じる父親。
そんなリンダが知識をつけるために本にのめり込むところが好き。どんな場所にいようと、本は広い世界を開き知恵を与えてくれる。

リンダを演じたリリー・ジェームズ、ファニーを演じたエミリー・ビーチャムの関係もふたりのお芝居も良かったことはもちろん、
リンダを生涯近からず遠からず支えるロード マーリンを演じたアンドリュー・スコット、
リンダの最初の夫トニー・クロエシグを演じたフレディ・フォックス
2名の眩いほどの輝きが何よりも見どころ。特に登場シーンのキラッキラがびっくりしちゃうレベル。

この2人を観てください、以上!!
ねまる

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