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ハウス・オブ・ザ・ドラゴンのKINのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・ザ・ドラゴン(2022年製作のドラマ)
4.6
脚本、編集、撮影、美術、衣装、キャスティング、構成、その全てが最高品質。毎話毎話圧倒されるばかりでした…至福の2ヶ月間だった〜…

そもそもGOTの前日譚、しかもターガリエン王朝失墜の物語を描くと聞いた時は、なぜ今さら?と思ったけど、まずこの舞台設定が上手い。
GOTシリーズの格となる面白さ"王座を巡る話"はそのままに、GOTが国々同士の争いだったのに対し、HOTDは内部の争いの話になっており、ここで差別化を図ってるのが絶妙。ちゃんとHOTDらしい面白さになっていて、焼き直しになってないのよね。
また、GOTという一大人気コンテンツの新作だからこそシーズン1からふんだんにお金を使えていて、そこが最盛期のターガリエン王朝の贅を尽くした衣装や城の内装を演出できている。製作としての事情と、語るべきストーリーが合致してるのが素晴らしい。

シーズン1を通して、ゆっくりじっくりキャラクターや背景を積み上げて土台を作っていくこのストーリーテリングが贅沢すぎて…
逆に言えば、今シーズンはまだ大きな戦いはなく、よほど演出が上手くないと面白くならないと思うのよ。シーズン2以降はきっと見せ場たくさんあるんだろうけど。
土台づくりのプロセスを退屈にさせないという意味でシーズン全体の構成も見事。
折り返し6話から大きなタイムジャンプを図って、メインキャストを入れ替えたり、要所要所で時間が大きく変化していくのも、一つの工夫だったと思う。
またこの大きな時間の端折りが、まるで伝記映画を見ているような、ある史実を追っているような感覚にもなっていて、非常に理にかなっている。

アリセントとレイニラ。やがて袂を分かつ2人の繊細な心の機微をシーズン通して描いていて、ここが切なくもグッと来る部分でしたね…翠装派と黒装派に段々と別れていく各キャラクター達も最高。
主人公だから何の面白みもないけど、やっぱり推しはレイニラ・ターガリエンですね。最終話の戴冠めちゃアガったし、王たる品格がほとばしっていてちょーかっこよかった。レイニラ役のミリー・オールコック、そしてエマ・ダーシーのキャスティングも見事すぎない??2人とも1発でファンになってしまいました。
あとビジュアルで言えば、リス・エヴァンス演じるオットー・ハイタワーが凄まじい…

ここから2年も待つの??
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