《ガン監督、集大成》
【総括】
ずっと見たかった。このためにU-NEXTに一時加入。面白かった。ガン節炸裂の「ザ・スーサイド・スクワッド」以上に彼が＂遊べてる作品＂だった。時間に関する制約がゆるい配信作ゆえか、ストーリーに関するものから関係ないムダ話までたっぷり挿入され余裕すら感じた。落ちこぼれ、親、絆、おバカキャラ、ブラックコメディー、音楽、など監督の得意な要素が全て注ぎ込まれ集大成にも感じる作風だった。
以下ネタバレ↓
【ピースメイカー】
前作で同情の余地もない、危なすぎるキャラだった彼。今作では純粋さが際立って魅力あるキャラに。「父の呪縛・過去のトラウマ=アダルトチルドレンの誕生」みたいな納得のいく背景も描かれ、両親ネタや落ちこぼれの這い上がりを好む監督ならではのキャラクター構築だった。
【他のキャラ】
・ビジランテ
バカだと思ってたピースメイカーより更にバカなビジランテ 笑。人って想像を超えるアホに出会うと怖さすら感じるんだと改めて思わされた 笑。彼の出現によってピースメイカーが常識人にも見えてしまうという錯覚。
・アデバヨ
序盤でピースメイカーに気に入られたアデバヨが真の＂ズッ友＂になれるかどうかもメインストーリーの一つだった。演じた俳優はかなりの好演だったので一気に好きになった。リアルなリアクションが面白すぎ。唯一の一般人的価値観の持ち主。
・染めヒゲ
序盤でしつこくヒゲの事をツッコまれていたが、まさか終盤で回収するとは 笑。監督らしい演出。無様な自身を受入れる終盤の告白シーン、最高。
・ハーコート
監督の奥さん、美人すぎる。最初はあんまり演技に魅力を感じなかったけど、後半は彼女の「キレイな目だけど死んでるような目」(ごめんなさい)に引き込まれてしまった。笑顔が素敵だったので役柄上の問題だったのかも。
そんなデコボコチームが友情や信頼を育む。監督のオハコ。
【センシティブな現代社会】
ドラマシリーズとしての(時間的)余裕なのか、事あるごとに口論コメディーが挿入されていた。特に多様性についてデリケート過ぎる世の中への監督の皮肉(？)がたっぷり。(私が想像する監督の思考→)『最近、気をつけなきゃいけない言動が複雑化しちゃったよね。バカげてるよね。おかしくない？これだけでコメディーになる。でも、俺も分かってるよ。過去の事があるからね。多様性についてちゃんと勉強してる。その＂正解＂もセリフに入れてフォローさせるから許して。すべて分かった上での皮肉です』的な 笑。防御線張りまくり 笑。「バカにしたい」って気持ちを出しながらも、知識の披露によってフォローしてるような場面が多々。
【ヒットした回収ネタ】
・ワシのハグ
・染めヒゲ
・ハーコートの名前
・ソニックブーム
・人間魚雷
・アデバヨ、ビジランテを抜き、ズッ友へ
【次は】
これ以上、監督らしさを感じる作品はないほど＂お家芸な作品＂だった。MCU以前から得意分野に沿った設定やストーリーで活躍してきた監督だか、たぶんこれで＂らしさ＂は全て出し切ったんじゃないかな。次はもっと他のテイストに挑戦した監督の作品も見てみたいなぁと思った。
オープニングが好きすぎる。
カウ、かわいい。
