ろくちゃん

ピースメイカーのろくちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ピースメイカー(2022年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ピースメイカーと仲間たちを大好きになる作品!

一話目から強烈である。
ピースメイカーはトキシック・マスキュリニティの塊のような人間。
めちゃくちゃマッチョで女性は誰でも口説くし、誰とでも寝ようとするし。だけど、ジョン・シナ演じるピースメイカーに偽悪的な部分が無いところが面白い。天然なのである。(だからこそ、問題があるともいえるが)
そして、ピースメイカーはアメリカをそのまま表象するかのごとく、星条旗カラーの車にのり、星条旗カラーのトレーラーハウスに住んでいる。ペットも国鳥のワシを飼っている。

ガサツで自信家だけど、貧しくて友達も少ない。こんなに、わかりやすくアメリカを表現されてると、とてもスリリングである。

一話目からピースメイカーが格闘すると、自分でも想像しなかった程の威力を発揮して周囲をボロボロにするのも、アメリカが2010年代にやってきた事と通じる。
ジョン・シナが動くのがしんどそうなところも、肥大し過ぎた国力をコントロール出来ていないようだ。

このように、ピースメイカーでは現代アメリカを痛烈に批判しつつ、ジョン・シナのチャーミングさによって「でも憎めないよね」と思わせる作品だ。

また、立場も面白い。
政府から請け負った仕事をしているのに、話数が進むと警察から追い詰められていく。
ラストでは「バタフライ」は地球を気候変動から救う意図があったと知りつつ「仲間を助けるため」にバタフライを倒す。
過去の失言によりSNSで炎上してディズニーから一度キャンセルされたジェームズ・ガンの人生と重ねてみると面白い。

そして、オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラックの「テイスティー」を演じるダニエル・ブルックスがとても重要な役割で出演しているのも嬉しい。