ジャッキーケン

アンブレラ・アカデミー シーズン1のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

4.5
ダークホースコミックス原作のアメコミドラマ。マーベル提携作品が打ち切られた矢先に作られた実験的とも言えるマーベル以外の出版社作品はダークでシリアスなマーベルドラマから一変してコメディを兼ね備えたライトなドラマでマーベルというブランドを使わずして傑作を作れるネットフリックスらしいオリジナルの強みが出ていた

主要キャラが多いので最初は「ザ・ホーンティングオブヒルハウス」を端折ったキャラクター紹介、ごく普通の一般人である「ザ・ホーンティング〜」とは真逆のスーパーパワーを持った人たちが主人公なのでパワーを見ればなんとなくこいつはこういう性格のキャラとアメコミ系を見慣れてる人ならすぐに分かるし良い意味で意外性のないキャラクター性だから分かりやすい

十数年間失踪していたナンバー5の帰還
突然言い渡される世界の終わり
終わりを食い止めるべくバラバラのアンブレラアカデミーメンバーが力を合わせ世界崩壊を止める
ヒーロー物におけるステレオタイプなシナリオだが蓋を開ければ、時間軸をかき乱すタイムスリップ、第一印象は不気味だけど回を重ねるごとに好きになっていく殺し屋コンビ、絵に描いたようなヤク中キャラがベトナム戦争時にタイムスリップする他にない葛藤の掘り下げ、タイムスリップとパラレルワールドが主にストーリーに絡んでくるしそれを使った後から味付けされていくキャラの掘り下げが絶妙に面白い

終盤の展開はフェニックスサーガ
よく出来た「XMENファイナルデシジョン」です。能力のないヴァーニャの覚醒
覚醒に至るまでヴァーニャと恋に落ちる一般人とのラブロマンス、今までアカデミーの一員なのにいないもの扱いされてきたヴァーニャの復讐も込みでアガる場面だけどどこか切なさがあるしヴァーニャを利用して世界滅亡を目論む、巧妙な策略が「シビルウォー」のジモっぽくて好き
黒幕の動機は「MR.インクレディブル」みたいだ

Netflixの元を去ったマーベルに変わりダークホースコミックス、ミラーワールドなど
2大アメコミ会社の影に埋もれてきたマイナー作品がこうやって陽の目を浴びる機会を得るのは知らない作品を知ることができるしさらにアメコミ好きとしては視野が広がっていくのである意味マーベルと手を切ってくれたおかげで新たな作品、今まで手をつけられなかった作品を製作することができるのでむしろありがとうって感じです。

ディズニープラスの方でネトフリマーベル勢は復活するのか分かりませんがそれも期待しつつ今後のネトフリアメコミの作品を追っていきたいと思います