抹茶マラカス

シー・ハルク:ザ・アトーニーの抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

4.5
実に軽快で素晴らしい作品だった。
ハルクの力を継承してしまったジェニファー。彼女はハルクであることを受け入れようとしながら、しかし弁護士ただのジェニファー・ウォルターズとして生きていけないのかと模索する。
ハルクになって良かったのは、夜道でイヤホンをつけられること。こんなに痛切なことがあるだろうか。そしてクソミソジニーでマスキュラリティに乗っ取られていくヒーロー映画文法から彼女は壁を壊して、自分の作品を取り戻す。ハルクの物語ではないし、カメオの連中の物語でもない。シーハルクの物語なのだ。
タイタニア絡みの話はもう少し彼女を掘って欲しかったのは事実だが、メタネタキャラとして存分に腕をふるい、メタだからこそ現実の我々の問題をそのまま抱えてストーリーに反映してくれた。その上で物語はこう締められる。法律のディーバは気難しい。ああ、世界って簡単には変わってくれない。
まあ受け入れ難いのは分からんでもないが、この程度も受け入れられなくては、グウェンプール出てきたらどうすんねん。プリキュアだって映画館で応援要請する時代やぞ