こうん

ザ・オールドマン~元CIAの葛藤のこうんのレビュー・感想・評価

4.3
棺桶に片足突っ込んだような御老体がウロウロする映画は大概好きなんだけど、それに加えて本作はヨイヨイの爺が殺人マシーンでした的な、御老体版ジェイソン・ボーンみたいなジャンルのドラマでもあり、過去の国家秘匿レベルの軍事作戦をめぐるサスペンスであり、“3人の娘”をめぐる家族ドラマでもあり、おまけにおまけに画面に映っているのがジェフ・ブリッジスとジョン・リスゴーのしわしわ顔面相撲が堪能できる、ということで俺得でしかないドラマしたね。
そうそう、製作総指揮のひとりでもありエピソード監督も務めるのが(一部の人にとっての)大傑作「コップ・カー」のジョン・ワッツであるところもポイント高ぇでしたね。面白かった~。
超絶地味なんだけど、超面白いし、徐々におじいたちの過去が詳らかになってきて最終話ではまさかの「おまえもかーい」ということで浮かび上がるやらかしたアレコレのドラマがてんこ盛りすぎて、早くシーズン2を見たい感じです。
っていうか「さぁこれからだ」のところで終わりやがって、こんにゃろー。
ただ、その語り口がかなり不親切というか地味というか催眠効果があるというか、出てくる情報が断片的で小出しでテンポも淡々としているので、語られる過去と現在の把握になかなかレベル高めの読解力が求められるドラマでもあることは注釈として書いておきたいと思います。
僕はそれを高級なナラティブとして受け取りましたが、観る人にとっては地味で退屈でわかりづらい…という事にもなるやもしれんことをご留意いただきたいと思います。
こんなに狼狽するジョン・リスゴーを長い時間みられることが幸せです。
あと、アリア・ショウカットさんが素晴らしいですな。
こうん

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