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DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機のkissenger800のレビュー・感想・評価

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8時間半もかけただけあって、製作者が言いたいことは十二分に伝わったのですがやっぱり2時間でイケるんじゃないか、といつもの感想になるんだよな。つまり何でドラマ見ない班のはずの俺が見てしまったのか。
……キャストが豪華だったもので、つい。

たとえば第1話で起きたことと第8話で起きることの間の、時間という隔たりを体感することでケイトリン・デヴァーが劇中で描く物語の価値は上がる、それは理解しますよ。
だけどそんなこと言い出したら「本来は一度しか体験できない人生」そのものではないけれど「それっぽいやつ」を何度も味わうことができる、ってフィクションの持つ自由を狭めることになりませんか。この作品の感想というより「映画ではなく、ドラマというナラティブ」への一般論ですが。

大胆な省略とか妄想が呼ぶ共感のパワーなんて、それこそ『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)が最もよく表していたことなのに、結局最後を自分で〆たマイケル・キートンはエグゼクティブプロデューサーの職権濫用にあたると思いましたが、個人的にはつい最近見た顔の『アンストッパブル』(2010)ロザリオ・ドーソン、『ハミルトン』(2021)フィリッパ・スーが良い仕事してるな、という印象。
あとは『デトロイト』(2017)と『なんちゃって家族』(2013)の真ん中ぐらいの役をそつなくこなすウィル・ポールターを堪能した、と言いたいところですが、やっぱりこれ、主役はマイケル・スタールバーグ。あいつの物語だろ。
……って定義すりゃ2時間で語れるだろうよ(=ループする思考)
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