木野エルゴ

カウボーイビバップの木野エルゴのネタバレレビュー・内容・結末

カウボーイビバップ(2021年製作のドラマ)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

組織を抜け出した元殺し屋と片腕を無くした元警官。2人の賞金稼ぎが宇宙を駆け回るSFアクション。90年代に人気を博したアニメの実写化。

基本ベースはほぼ変わらず。しかしビシャスとジュリアの性格設定がだいぶ変更されていた。ビシャス、アニメ版ではミステリアスで冷酷な孤高の狼みたいな人物だったのに、短気で怒ると手がつけられない承認要求だけが異常に高いファミリーコンプレックス持ちの坊ちゃんになってた。ジュリアはアニメ版ではクールで儚いファムファタールだったのに、権力欲の権化みたいになってた。

実写化にアニメと同じ内容を求めるつもりはないのでこれはこれで面白かった。しかし因縁ある2人がこんな設定になるとスパイクが気の毒になってくる。そりゃもう「付き合ってらんねー」って酒に逃げたくもなるわ。続編に繋げるためにこういう展開にしたんだろうけど。

ヴィジュアルや世界観はアニメ版に寄せてて結構質の高い映像になってるけど、コストがかかるのか宇宙空間でのドンパチが少なかったのが残念。あとアインはデータ犬というとてつもなく価値のある犬だけどクルーは誰一人それに気付いてないっていう設定が好きだったので目から立体映像はいただけなかった。見た目はただの犬じゃないと設定が生きないんだよ。

個人的にフェイのキャラクター性が実写の方が好きだった。アニメ版のフェイよりも生き生きしてる。演じてるダニエラ・ピネダの表情の豊かさと吹き替えた林原めぐみさんの演技の巧さのおかげか。

ジョン・チョウのスパイクが柴田恭兵に見えて仕方なかった。雰囲気も「探偵物語」の松田優作みたいでなんというか昭和感たっぷりだった。「探偵物語」見たことないけど。

総合的に見ればアニメ版の方が好きなんだけど、実写版も良い部分が沢山あったので2期が出たら見る。
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