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The Defeated -混沌のベルリン-のFernwehのレビュー・感想・評価

The Defeated -混沌のベルリン-(2020年製作のドラマ)
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混沌。連合国軍政期下のベルリンを舞台に、4カ国に分割占領された地域の混沌具合が、しっかりその地名と共に作品中に出てくる。この時期を舞台にしたストーリーを観るのは初めてだった。日本もこうなり得たことを踏まえても、こういうイメージを、せめて映像やドラマとして見ることなしに、働かない想像力があると思うので、とても貴重なものに思えた。視覚的なパワーはやっぱり強い。
ストーリーは案外、2つの事件が動いていくコンパクトさ。全ての事態が生き死ににかかわり、生き残るためにすべきこと、家族を守るためにすべきこと、信じること、すれ違うこと、裏切り、搾取、脅迫、取引、拷問、密告、2人だけの秘密、みたいなことが延々と続き、判断を迫られる人たちの姿を一気見する感じ。
登場人物に女性が多いのは、史実の時期的な特徴でもあるのかわからないが、映画として特徴的にも映った。女性に対する期待が、名言じみた悪役のセリフとしてあったくらいに。
この手の映画にしては、残酷な描写は少ない方で、描写自体もマイルドな方に感じた。パーティーのケーキの悪趣味さが印象に残ってしまうレベル。
ただ、終わり方は思いの外あっけなく、様々な後始末が見えなかったり、なるほど混沌しかなかった。
(あと女性のワンピースは可愛い)
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