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民初八行伝~正しき反逆者たち~のtanziのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

チェン・カイコープロデュースということとタイトルだけしか知らなかった。

てっきり民国初年の上海を舞台にしたシビアなスパイドラマかと想像してたら、片頭曲を聴きオープニング映像を見た途端、「あ、誤解してたわ」と分かった 笑。

そこから盛り返すのに少々時間を要する。
確かにスパイものと同様のテイストもあるんだけど、民国という新しい体制下のもと古い秘密組織を解体する役目にひょんなことから指名されちゃった主人公が苦難を乗り越え仲間を得て成長、そしてその解散を阻止して乗っ取ろうとする勢力との戦いが主軸のお話でした。

キャストは割と知った顔が多く最初から親しみが湧く。
特に女性陣がゲスト出演含めみんな美しくて眼福。衣装も非常に素敵で富察皇后(違うw)の旗袍にはうっとりするし顧影(違うってばw)の見事な9頭身と姿勢の良さにはずっと見惚れてしまいました。

主要ヴィランも、軍服が似合いスタイル抜群でアクションも上手い!かなり残酷さに振り切った強敵で、ちらりとディック・ウェイとか思い出しちゃうレベルに良い。彼がこのドラマをかなり締めてくれたと思います。今後の活躍に期待。

目を引いたのは、北京 昆明 広州 上海と舞台が変わるのでそれぞれの雰囲気を捉えた美術。CGだけに頼らずなるべくロケセットを組もうとした努力が見て取れ実写っていいなぁと思わせてもくれました。
これ、美術にかなりお金かけてますね。

話も二転三転するので全然飽きないけど、細かいところにちょっと気になる部分がないわけでもない。

まず、劇伴が自分には合わなかったかも。
アクションシーンに特にそう感じたんだけど、あそこもう少しエモい曲が掛かったら軍師連盟 孫礼(だから違うw)のアクションが何倍にも映えたのでは?と思ってしまった。残念!
一方で「んな大袈裟な」と感じるような場面でやたら盛り上げようとする劇伴だったり。音楽大事。こればかりは個人の好み。

そしてお気に入りになったヴィラン方遠極のオーラス、あそこまでしなくても!と最後は笑いが込み上げてしまいました。

普通、主役に関しては好感度を下げないように制作者が心を砕くはずですが、あれで…よかったのでしょうか 笑。
振り返ると、「この男はそんないうほどの好漢か?」と毒づきたくなる場面がいくつかあったような…。主役なのに 笑笑。

でも登場人物は多いので、他で充分カバーできたのが幸い。恋愛で闇堕ちする女性キャラもいなかったし、なんと言っても考え込まずに見られるのが楽しかったよ。
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