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行け!あひるお姉さんのmidoredのレビュー・感想・評価

行け!あひるお姉さん(2018年製作のドラマ)
3.5
巨大なラバーダック「あひるお姉さん」が新潟の街や田んぼを散歩するシュールな特撮。特撮としてはC級ですがシュールな味わいと郷土愛の効いた怪作でした。

内容はあってなきが如し。巨大あひるがゲーセンのエリナを破壊して新潟県民が逃げまどって別の怪獣が出てきます。このアシッドな繰り返しと、ご近所さんレベルのローカル情報が醸し出す親密感と、さまざまな時代の新潟の市街写真、プロの声優さんの演技やハイセンスな謎セリフにより、独特な世界が出来上がっていて、意味もわからず真顔で見入ってしまいました。

夢中になれるほど面白いエンタメなのかと問われたら頭を傾げますけれども、ワンパターンなのに予想外の世界というか。そうした意味合いで考えたら、これはもう昭和特撮とシュールと郷土愛を上手くまぜたアート作品と言った方がいいのではないかと思います。

キャッチーなテーマ曲も好きになってしまいますし、エリナの店長さんの発する声や棒読みセリフはクセになります。怪獣たちの「グシャっとなれ」などの謎セリフの連発も絶妙に気持ち悪くて良かったです。地元民が楽しそうに演技しているのもいい味出していました。
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