みや

アバランチのみやのレビュー・感想・評価

アバランチ(2021年製作のドラマ)
3.8
【権力に立ち向かうアウトロー集団】

名もなきアウトロー集団“アバランチ”が、劇場型犯罪ならぬ劇場型暴露をしていく。

ビジュアルの良さとテレビドラマとは思えない映像クオリティで、映画を観ているかのような満足度を感じられた。

アウトローといっても人殺しだけは絶対にせず、民衆つまり“人を信じる”ことを信条とする。

当初ネットリンチのような描写に拒絶反応を示す視聴者も見られたが、同じ志を持った人間たちが仲間意識を形成していく様が共感できた。

事件を捏造し民衆を動かすことで法案を強行成立させようとした政治家が、捏造を暴かれたことで民衆に動かされて失脚するというオチを含めて物語構成が秀逸だった。

正直、第5話のエピソード0までは物語の方向性が見えなかったが、この回から急激に惹きつけられた印象で尻上がりに面白くなっていったドラマだと思う。

逆を言うと、視聴ハードルは高い作品で視聴者層はかなり絞られてしまったようにも感じる。

クオリティの高い作品であるからこそ、第5話までの方向性や、緊張と緩和の「緩和」の部分がもう少しあればもっと間口の広いドラマとなったのだろうが、アバランチのテイスト的にはこれで良かったとも思えて悩ましいところ。

映画や連ドラでの続編を匂わすような結末に期待できると同時に、次第に福士蒼汰にメインストーリーが移行していくのだろうなと楽しみになる作品だった。
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