イカゲームは、韓国の、陣取り合戦みたいな子どもの遊び。首の回らない人たちが、綱引き、ビー玉、型抜きなどの遊戯で、負ければ殺される。「賭博黙示録カイジ」みたいな世界だが、莫大な賞金が掛かっているものの、ギャンブル依存症の匂いはしない。
子どもの遊びだから、完全平等の自由競争がルール。完全平等でも、ジェンダーやカーストは発生するし、弱肉強食の自由競争だから、本性がむき出しになる。金に振り回される自由主義経済批判に見えるけど、脱北者メンバーの存在が、共産主義指向を無力化する。
しかし、メンバーは「競馬の馬」で、「ハンガー・ゲーム」みたいに馬を走らせる存在がある。
私が高校生であった1970年代後半に、受験戦争・詰め込み教育批判が高まった。世論に対して、受験は完全平等の自由競争で教育の機会均等の具現である、というようなアンチが流布した記憶がある。受験産業からの流言だったのだろうか。
現在、JASSO奨学金や共通テスト英語外部試験の問題で、社会的身分・経済的地位による不均等はあからさまになっている。
……何となく、こんなことを連想した。
イ・ジョンジェが役所広司に見えて仕方なかったので、日本版リメイクができないだろうかと思ったが、むしろ深作欣二遺作「バトル・ロワイアル」が本家なのかもしれない。
