このレビューはネタバレを含みます
イカゲームの何が凄いって、
生きるか死ぬかの瀬戸際で現れる人間の本性や揺れが描かれていることもあるけれど、
何よりも「黒幕目線」で見れることが凄い。他のデスゲームとの違いで取り沙汰される″強力な頭脳や力なんてない、一般人が戦うところ″がよく効いてる。
・徹底した番号呼び
→まさに競馬のよう。何番が勝つか無意識に考えてしまっていた人も多いと思う
・シンプルなゲーム、平等な世界
→個々の能力が平均化されて、誰が勝つか予測しづらい
加えて、主人公がへっぽこな上に情に弱い。おばあちゃんのように「アンタ、ほんとに大丈夫なのかい!?しっかりおし!!」と言いたくなるくらい諸々弱い。だから主人公なのに勝てそうに見えない。これらが噛み合わさって、ゲームの勝敗予想を楽しんでしまう視聴者の黒幕要素が高まったように思う。
「あ、自分、いま黒幕だ…」
1話で、フロントマンが優雅にジャズを聴きながらゲームの行方をモニターで確認するシーン。日本酒でお肉をツマミながらドラマを見ている自分と重なった。
平等な世界の中で、どこまで均衡をこわさず、有利にゲームを進められるか。時に、助け合い、足を引っ張り合い、プレイヤー達はゲームを進めていく。ビー玉の回のサンウは強かった。上手く手元に集めながらも、相手を安心させるために袋は返す。懇願からの大逆転には思わず舌を巻いてしまった。
それにしても、
フロントマンに、イ・ビョンホン持ってこれたキャスティング強すぎる。