海外ドラマでGoT以来のバズり具合だな〜とTwitterを眺めていて必修科目として履修した作品。全方向から襲ってくる既視感と全然殺し合わないテンポ感に泣きながらの完走となりました。
日本では擦られすぎて塵と化しているデスゲームものです。全世界で絶賛される中、日本でのみ評価が低いのがよくわかります。個人的にも全く面白いと思わなかったので自然となぜ流行ったのかという視点へ移りました。
まず特筆すべきは映像の美しさ。Netflix作品の映像の品質統一力は凄まじいですが、本作も安定のカラフルで綺麗な映像でした。同ジャンルとしてはミッドサマーを思い出します。普段Netflixを観ないような層まで届いた作品ですので、鬼滅の刃におけるufo作画のような衝撃を与えたのではないでしょうか。
また役者さん方の演技も素晴らしく、デスゲーム系の定番である駆け引きではなく人間ドラマに寄った作風を引き立てていました。登場人物がことごとく”優秀ではなく”、今風の共感しやすい作品だなと感じました。私はまさに駆け引きやゲーム性を期待していたために刺さらなかったわけですが。
そして地味に非常に大きいなと感じたのがグロテスク描写の控え目さで、デスゲームものにしてはほとんどゴアなシーンがありません。ゲーム性ではなく人間ドラマに寄った作風もあいまって「デスゲームに興味ない人が観ても面白いデスゲームもの」になっていたように感じます。
パラサイトやジョーカーもそうでしたが、最近のヒット作は本当に社会に絶望したいという欲求を感じますね。ゲームに戻るシーンは「いや流石にそれはないでしょ」と感じてしまいましたが、米韓は社会保障が皆無なのでしょうか（アメリカは本当に社会保障が皆無そうですよね）。本作のように負の方向にフィクションを効かせて絶望に浸る作品が流行っていますが、Not for meでした。
