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イカゲームのBeSiのレビュー・感想・評価

イカゲーム(2021年製作のドラマ)
5.0
ストシンも納得出来ないままシーズン4まで制覇したし、これよりも前に制覇したドラマのレビューでも投稿するか。流行りには乗っておこう。遅すぎ。「イカゲーム」シーズン1レビュー。


勝てば天国、負ければ、即死。賞金に目がくらみ、奇妙なゲームへの招待を受けた参加者たちを待っていたのは、昔ながらの遊びを取り入れた死のゲームだった......。


子供の遊びは命がけ。


監督は様々な "和風" のデスゲーム作品に影響を受けこのシリーズを制作したのだそう。デスゲームジャンルという事もあり、王道中の王道であり新鮮味は無いように感じるのも分かる。しかし、彼にしか出せない唯一無二のセンスが存分にこの作品では表現されている。以下説明(長いです🙏)

①巧みな映像表現
まず驚かされたのは、デスゲームにそぐわないポップな色合いのビジュアル。これがより一層ゲームの怖さを掻き立てる。特に第3話の型抜きゲームでの一幕。緊張と緩和を行き来するテンポは、施設内を映す構図に視覚的に表れており、アイキャンディ感のあるポップな施設内を遠くから映すことで、子どもの遊び場に転がった無数の死体という画が放つ恐怖と紙一重にあるシュールさを映し出していた。和風デスゲームにはあまり見られない、センスの光る演出が散りばめられていました。凄い.......。

②濃密な人間模様
背景の濃さは足らない部分はあるものの、7日間のイカゲームにおいてゼロの状態から新たに構築されていく参加者と運営側それぞれの関係図の複雑性は凄まじい。しかし、醜く惨い人間の本能を描くというデスゲームジャンルにおいて不可欠な表現材料が驚くほど緻密なおかげで、視聴者一人一人にとってのお気に入りの登場人物が必然的に現れるようになっている。僕は圧倒的ジヨン推しです。おいイルナムあの時の俺の涙返せよどんだけ泣いたと思ってんねん

③韓国の社会問題の反映
愚かな競争に全てを賭け突き進もうとする人間の性。イカゲームに参加する人間は様々。労働者として韓国に来た外国人、脱北者の女性、力が弱く病気を持った高齢男性など、いずれも一般的な観点からすれば彼らは社会的弱者という位置付けになる。実際の競争社会を映し出すように、ゲームが進むにつれて、社会的弱者の中でも力の強い者は生き残るが、弱い者は徹底的になじられ、ゲームから脱落して命を奪われていく。それと共に、各話のタイトルに即した内容を描くことで韓国本土の格差社会問題を浮き彫りにしている。



観始めたら面白くてイッキ見してしまいました。本当に素晴らしい完成度で満足感のあるドラマでした。デスゲームはドラマで観るもんですね...シーズン2楽しみだ〜!!
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