リゾート地が舞台というのは、妙にそそられる。一般的には、ハワイやタヒチがそうであろう。しかしエルビスの映画を観たことがない私としてはメキシコにそのイメージがない。
それだけにかえって興味が湧いた。「へえ、あの国にこんな美しい場所が!」と真っ先に思った。ピンクを基調にしたホテルの色彩は特に目を引く。じつに当たり前だが麻薬カルテルとトルティーヤだけの国ではないのだなと思った。
ただコメディーとしては、ふつうにおもしろいレベルだと思う。キャラクターの配置も類型的。よって、斬新さはないが安心して楽しめる。ヒロインの恋人として登場するオーナーの息子が、私と同じように犯罪にあふれた国だと誤解しているあたりは妙に共感してしまった。
ラテン系のノリも相まって、さまざまな苦労や苦難をも笑いに変えていく主人公とその仲間たちが楽しい。ひとつ欠点を挙げるとすれば、フロントカウンターに置かれているパソコンにまったくリアリティーを感じないところか。
[ドイツ語吹替音声+日本語字幕]2022/02/12-03/01 Apple TV+