凄いのが来たなぁ。まるでGOTのシーズンフィナーレの啖呵の切り方みたいな最終話のクリフハンガーはコンテンツに相当の自信がないとできないし、実際これ一作で国内ドラマが海外ドラマ水準に届いてるんだから驚愕した。
撮影・脚本・演出・演技どれをとっても国内最高峰のクオリティとリッチさで、チープに見えるところも退屈に感じるところも一切ない。もはや手垢がついたジャンルでもある日本の村ホラーをベースにしながら、『ミッドサマー』や『ウィッカーマン』などの欧米の胸糞ヴィレッジスリラーや、コリアンノワールのテイストを上手く取り入れていて全く新しい物に昇華できていた。
何よりも伝統的な村ホラーにはない阿川という異物感が今作の一番の見どころであるのは作品を観た人には言うまでもない。村vs個人という図式を成立させてしまえるほどの柳楽優弥から発せられる暴力の色気がたまらなく良い！
柳楽優弥さんは『浅草キッド』で若き北野武を演じていたけど、むしろフライデー襲撃事件の頃を映像化してほしいと思うほど。
しかしながら藤井道人監督が今度似たような集落モノをやるみたいだが、本作のあとだとどう考えても分が悪いと感じる。
『ガンニバル』がこれっきりの作品ではなく、未来の日本のエンタメの試金石になってくれればこんなにいいことはない。
