もた福まんじゅう

座頭市物語のもた福まんじゅうのレビュー・感想・評価

座頭市物語(1974年製作のドラマ)
-
素晴らしい時代劇です。演出、小道具、全て完璧だと思います。ピカイチはやはり市役の勝新太郎。母親が勝新太郎とか高倉健などの漢くさい俳優があまり好きじゃなくて偏見で触手が伸びなかった。後はスキャンダラスな生き方とか昭和のスターのイメージがあって色眼鏡で見ていた。だけど、ビートたけしの座頭市も見ていたし、設定としてメクラで渡世に生きていて、強いは大好物なのですぐに心を鷲掴みにされた。そして何より演技がすごい。勝新太郎ってこんなに演技に魂こもってる人だったの⁈という驚き。まるでガラスの仮面の北島マヤを観ているよう。全精力を注ぎ込んで演技している。演技ではなく市になっている。あとは、昔の殺陣って本当に技術力あるなと思うのは、アメリカ人がどうして斬られてるのに血が出ないのかというガキみたいな物の見方、想像力や全体を見る目の無さに反吐が出るし、最近の時代劇は血がドバドバ出ればリアリティがあるという悪趣味アメリカ人に擦り寄るあの手が嫌だから。座頭市を見ていると、悪役との阿吽の呼吸、配置、カメラワーク、刺されているように見せる悪役の斬られ技術、倒れ方、全てが感動してしまう。あの逆さ切りのカッコ良さに痺れる。どうせ私は老害懐古主義ですよ!老害で何が悪い!と開き直ってしまう。駄目だなぁ。