みち

恋せぬふたりのみちのレビュー・感想・評価

恋せぬふたり(2022年製作のドラマ)
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1
──見つけたね、恋とか愛とかめんどいことなんもない、あたしたちの城。

タイトルの出方でもう「あたりだな」って思う。主演二人の笑顔が眼福。高橋一生「ぎこちなさ」「気遣い」出すのうま過ぎ。そして二人とも「聴かせる語り」ができるのです。あとはこの後輩と上司のキャラクターがどうにかなれば……。

まだ、先はわからないけど、恋愛至上主義でも「非恋愛」至上主義でもなくて、一人一人それぞれの他者との関わりかたと生き方を肯定してくれる作品になってますように。

2
相変わらず主人公を取り巻く人々の薄っぺらさに閉口するけどそれでも二人の台詞と表情が刺さる。

──ただ、なんでこういう時って、こういう人間もいる、こういうこともある、で話終わらないんですかね。僕たちは僕たちなりに、幸せな家族、というものを作れるかどうか、試してるんです。

もしかしたらわざとわかりやすいキャラクターで二人を囲んでるのかも。なんでこんなこと言うの、ひどいなあ、馬鹿だなあ、って視聴者が簡単に言える、で、気づける、あ、これ私たちかも、って。

3
──愛のないセックスは理解できても、セックスのない愛は理解できないんですか。

──誰かを好きな思いがあれば異常な行動も許されるなんて思わないでください。

ちょっと展開が単純になってきて黄色信号。だけどラストの展開と予告は気になる。目の前の人を助けなければ、という気持ちと、自分は誰かと接触できない、という気持ちがぶつかって、と考えると自然な振る舞い。

あのアンケートに惹かれるのは、誰かと一緒にいるってことの基本として相手の嫌なことと求めてることを知らなきゃいけないんだっていう前提に立っているからで、あの形でなくても何らかの形で互いの好き嫌いを知らなければ人間関係なんて成立し得なくて、だけどだいたいの「二人」がそれぞれの経験やら周囲の人間やらエンタメやらを通じて作られてきた「常識」で勝手に相手を判断しちゃうから悲劇が絶えないんだろうな。
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