トケグチアワユキ

恋せぬふたりのトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

恋せぬふたり(2022年製作のドラマ)
4.9
高橋一生はこういう少しエキセントリックに振る舞う役を演じさせたら、うっとりするほど魅力的だなぁ。
「僕らは奇跡でできている」や「カルテット」も素晴らしかったが、このドラマでも揺るぎない。
ドラマとしては満点だ。

すでに記事がたくさん出ているので、このドラマにおける asexial / aromantic の考察については私レベルが何か言う必要はない。
このレビューの冒頭、エキセントリックと書いたことでさえ槍玉に挙げられそうだ。
あえて書いた。


それよりもずっと恋愛感情や性欲を何の疑問もなく信じていた猪塚遥(菊池亜希子)/松岡一(濱正悟)、わかっていても抑えられない門脇千鶴(小島藤子)の切なさだ。
それはここでは重要でないと言われることを承知で言っている。
切ない。
だって、どう考えたって私には高橋羽(高橋一生)や兒玉咲子(岸井ゆきの)の方が生き方として好ましいし魅力的なんだから。
そう描いているというのもわかっている。
主人公だもんな。
ヘテロで性欲むき出しのお前はとりあえず黙ってろ、お呼びじゃない、というのもごもっとも。
だけど、この気持ち。
猪塚遥と門脇千鶴の振る舞いが最適解だとしたら。
距離を置くことしか解決しないとしたら。


感情をそのまま出してしまう恐怖。
相手を傷つけてしまう可能性。
もう手も足も出ない。


アセクアロマの考察は以下のリンクでどうぞ。
https://www.cinra.net/article/202203-briefing-koisenu_hrstmcl

https://cinemandrake.com/koisenuhutari