なっこ

雨の日のなっこのレビュー・感想・評価

雨の日(2021年製作のドラマ)
3.1
すごく素敵な映像だった。

メッセージ性が強かったらどうしようかと、構えてた自分が恥ずかしい。本当に、生理についてはなかなか言えないけれど、言うべきなんだと思う。文化的な背景もあってケガレという意識がなかなかなくならない。言わないべき、スルーすべきこととして処理されてきた時間が長過ぎた。でも、言わないと分かってもらえないし、気遣ってももらえない。
簡単に変わることは無理でも、SOSを出したら、ちゃんと向き合って対処しようとしてくれる、そういう人たちがいると、明るい方の未来を信じるべきなんだと思う。

女性が女性を美しく撮る。その現場に立ち会えた気分。
撮る方も撮られる方もとても綺麗だった。
私もよく雨に唄えばを口ずさむ。気分の上がる曲。幸せな気持ちを運んでくれる。
ましまっちの役は、憎まれ役でもあるけど、彼の態度が現実だと思う。

ヒロインはPMS期に音の刺激が強くなる、という描写が印象的だった。だるいとか、下腹部が痛いとか、眠いとか、やたら甘いものが食べたいとか、言ってもなかなか伝わらない。でも、映像として、音として、あの周囲の雑音が激しく突き刺してくるような感覚を、ちゃんと表現してくれたのは、嬉しい。私は、音もだけど、光にも匂いにも弱くなる。それらが突き刺さってきてイライラが止まらなくなる。そして、気分もひどく落ち込む。ほんと、雨の日。憂鬱な雨の日。

海辺のシーンは映像的にも素敵だったけれど、言葉も素敵だった。
雨の日だからこそ、気が付けることもある。

素敵なドラマだった。
もっと告知して、もっと見てもらうべき作品だと思うな。
なっこ

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