トケグチアワユキ

旅屋おかえりのトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

旅屋おかえり(2022年製作のドラマ)
2.1
細々と旅ロケ番組で食いつなぐ元アイドルおかえりこと丘えりか (安藤サクラ) は、番組スポンサーの企業名を言い間違えて番組を打ち切られるが、楽しみにしていた視聴者から、代理で旅をしてきて欲しいと依頼され、代理旅人業を始める。
というストーリー。
原田マハの原作モノらしい。未読。

1エピソード30分×2回で完結。
4日連続放送で2エピソードという変則的な放送。

旅の名所を映像で押さえなくてはならないし、ストーリーは進めなければならないし、個人が旅の代理を依頼する意図も明かさなければならないし、とにかく完全にキャパオーバー。
時間内に収めるため、どれもこれもが言葉足らず状態。
消化不良感がハンパない。

もっともっとていねいに、代理旅の依頼主の意図を汲んで解決する部分を描かないと、とりあえず行けばわかるみたいな話じゃ感動したくても欲求不満にしかならない。

なぜ入院中の少女は指定したその日、宿の息子と会いたかったのか。その心の交流に関しての描き込みが足らない。というか、ない。

ソース会社会長の指示だったわけでもないのに、丘えりかが和紙職人の男性にたどり着く偶然には唖然とするしかない。


仮りにも、ドラマが景色や登場人物のキャラクターに頼って、ストーリーをウヤムヤにごまかしちゃダメだと思う。
キャストはみんな真摯に取り組んでるし、演出だって決して手を抜いてるわけじゃない。
ただ、みんなどこかで目ぇつぶった。うーん、しょうがないって。

すべてはこのオンエア枠におさまると思ってるプロデューサーの責任。杜撰すぎる。
ありえないとは思うが、たとえばこのドラマが原作に忠実だったとしたら、その原作チョイスが間違ってるし、逆に放送枠ありきだったとしたら、1エピソードに絞り込む必要性を認識できないのは致命的。
ロケーションとの兼ね合いも考えたけど、NHKにタイアップはあってはならないしね。

なんかもう、安藤サクラが不憫。
忘れよぉっと。なかったことにします。